Archive for the ‘コラム’ Category

■動産執行について

2021-06-21

 このところ「自宅に執行官が来た!」という相談が立て続けにありましたので、動産執行について説明します。

 裁判所から訴えられ、その判決等が確定すると債権者(貸金業者等)は、債務者(お金を借りている人)の財産に対して、強制執行をすることができるようになります。

 もし勤務先を知られていたら「給料の差押」、銀行口座を知られていたら「口座の差押」をされるでしょうが、勤務先も銀行口座も知られていなければ、自宅にある「動産の差押」をしてくることがあります。これが「動産執行」です。

「動産執行」は、債権者が、債務者の所有する「現金」・「貴金属類」・「絵画」・「骨董品」等を差押え、これを競売にかけてお金に換え、その代金の中から弁済を受けるという方法です。

 裁判所から「執行官」という人が債務者の自宅を訪問し、金目の物にペタペタとシールを貼っていく光景を、ドラマ等で見られたことがあるかもしれませんが、現実としては、一般の家庭で差押えられる物はほとんどないと言ってもいいと思います。なぜなら、こういった強制執行手続について定められた民事執行法の131条において、「差押禁止動産」が定められているからです。

 例えば、民事執行法131条1号の差押禁止動産として、「債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用品、畳及び建具」とありますので、通常の大きさのテレビやエアコン、洗濯機、電子レンジ、タンス等は「生活必需品」として差押えることができません。ただ、ピアノやマッサージ機等は年式や大きさ等によって差し押さえられるかもしれません。また、当たり前ですが、債務者の所有物以外は差押えできませんので、知人から借りた物があってもそれらは除外されます。

 ということで、一般的な生活を送られている場合は、事実上差押えられる物がないということで、「執行不能」で終わることがほとんどのようです。今回ご相談に来られた方々も、皆さん何も差押えられることなく「執行不能」で終了したようでした。

 そうは言っても、知らない人に家の中を物色されるわけですから、気持ちの良いものではありません。大半の方が、二度と来てほしくないと思うことでしょう。おそらく債権者側も、回収するためというより、上記のように債務者へ心理的なプレッシャーを与えることで(半ば嫌がらせ的な)、自発的な弁済を促すつもりでやっているのではないかと思われます。

 貸金業者から訴えられ、すでに判決等が出ている方は、いつ上記のような強制執行を起こされてもおかしくない状態ですので、そうなる前に、一度当事務所までご相談下さい。

 

■裁判所からの差押えの通知

2021-04-27

「裁判所から差し押さえの通知が届いた」というご相談が立て続けにありました。

 長期の不払いで訴えられ、その判決が確定すると、原告である貸金業者はその判決をもとに「強制執行」をすることができるようになります。

 ただ、ご相談を受け内容を確認すると、「消滅時効の援用」で済んだはずの案件がほとんどです。つまり、訴えられた時点で専門家に相談していれば、差し押さえをされることがないばかりか、そもそも借金の返済さえしなくても良かったわけです。

 確かに、10年以上払っていなければ、借りていたこと自体を忘れている方も多いでしょうから、裁判所からの通知を見ても「身に覚えがないから」と、何の対処もせず放置することもあるかもしれません。しかし、「身に覚えがない」ならなおさらきちんと中身を確認する必要があるわけです。元金が30万円程度であったとしても、不払い期間の遅延損害金が加算され、請求額が200万円を超えていることも珍しくありません。消滅時効の援用で借金がゼロになっていたのに、放置したばかりに200万円超の借金を背負うことになれば、人生設計が大きく変わってくることになるでしょう。

 職場が知られていれば「給料の差押え」、銀行口座が知られていれば「銀行口座の差押え」、そして場合によっては動産執行といって、自宅の家財を差押える手続をやってくる業者もあります(ただ、実際に家財道具が差し押さえられることはほとんどないため、業者からの恫喝、嫌がらせとも言えますが)。「給料の差押え」を受ければ、その通知が職場へも届くため、当然知られてしまいます。そうなると職場にい辛くなってしまうかもしれません。また、「銀行口座の差押え」については、貸金業者に自分の口座を知られていないとしても、業者によっては郵便局の口座や自宅近くの銀行の口座を、当てずっぽうで差押えてくるところもありますので注意が必要です。

 差押えをされても、銀行口座に残高がなければ回収されることはありませんので、実害はないかもしれませんが、その後の分割払いの和解交渉が大変難しくなります。貸金業者側も時間と費用をかけて裁判を起こし、差し押さえの手続まで行っているのですから、なかなかこちらの言い分を聞いてくれません。結果、分割払いができないとなれば任意整理ができず、破産や個人再生といった法的整理を選択せざるを得なくなってしまいます。

 裁判所からの通知が届いたら、決して放置はせず、まずは専門家にご相談下さい。前記のとおり消滅時効の援用で済み、借金を払わなくて良い場合もあります。また、その段階であれば、将来の利息をカットした分割払いの交渉が可能な場合もありますので。

■眠っていた過払金

2021-03-27

 債務整理の相談に来られた方で、以下のような内容でした。

 A社80万 B社80万 C社40万 D社 30万 合計約230万円の負債があり、現在は毎月8万円の支払をしているとの事。お一人暮らしで派遣会社にお勤め、だいたい手取りは月に20万円ぐらい。そこから家賃で5万円、食費や日用品等で約5万円、電話代が約1万円、合計11万円程度は生活に必要で、そこからさらに8万円返済すると、残りは約1万円。今の給料ではまったく余裕がなく、またボーナスもないため、不意の出費があったときに対応できないので、やむを得ず返しては借りるの自転車操業に陥っている方でした。

 4社ともここ10年以内の利用開始との事でしたので、いわゆる「過払金」は発生しません。それでも各社へ利息カットと長期分割の交渉をすることで、月の返済を4万円程度まで下げられる見込みでしたので、「8万円が4万円に下がるのならとても助かる」と債務整理のご依頼をいただきました。

 ご依頼者は50代半ばの男性でしたが、上記のとおり各社の利用開始が約10年前、つまり40代の半ばからキャッシングの利用を始めたとの計算になります。もちろん40代に入ってから初めてクレジットカードを利用する人もいないわけではないでしょうが、むしろ少数派ではないかと思われます。

 そこで、「過去にキャッシングやクレジットカードの利用はありませんでしたか?」と確認すると、少し考えられた後、2つの消費者金融の名前が出てきました。以前その2社を利用していたものの、利息が高かったため、利息の安かったA社とB社でまとめて完済したとの事でした。ご依頼者は、過払金のことなどまったく頭になく、完済業者についても今聞かれるまで忘れてしまっていたようでした。その2つの消費者金融であれば、過払金が発生している可能性もあります。

 しかし問題は、A社、B社ともにここ10年以内の利用開始との事でしたので、完済した消費者金融2社で過払金が出ていたとしても、すでに時効により返還請求権が消滅しているかもしれない、ということです。それでも、もともと考えてもいなかったものなので、あったら儲けものといった感じで、調べるだけ調べてみることにしました。

 結果、完済から9年半ほどの経過していましたが、時効にはかかっておらず、2社合わせて100万円近い過払金を取り戻すことができ、その過払金をご依頼いただいた4社の返済に充てることで、約130万円まで債務を減らせることができました。これを月4万円ずつ返済していけば、3年弱で完済できることになり、ご依頼者には大変喜んでいただけました。

 たとえ過払金があったとしても、業者が自動的に返してくれるわけではありません。こちらから請求して初めて返還されるものです。しかも最終弁済日から10年で時効により消滅してしまいます。時効消滅する前に請求することで、今回のご依頼者のように、過払金を返済に充当し、大きく債務を減らせることも可能になります。また、過払金の額によっては、借金を完済できるかもしれません。

 当事務所の過払報酬は「返還額の15%」とやや低めに設定しておりますので、返還された過払金が手元に残る額もその分多くなります。過去に消費者金融を利用していた方、クレジットカードのキャッシングをしていた記憶がある方は、お早めに過払金返還の手続をされることをお勧めします。

■訪問による督促と消滅時効の援用

2021-02-26

 長期間返済していないと、書面での催告や裁判所からの呼出状が届いたりすることは以前にもお伝えしましたが、中にはいきなり「訪問による督促」をしてくる業者もあります。封書やハガキでの督促なら、そのまま無視しておくという手もあるにはありますが、さすがに自宅を訪問されての督促は、相当な心理的圧迫を受けることと思います。もちろん、業者の狙いはそこにあります。

 まず、訪問された側として第一に思われることは、「なぜ自分の住所がわかったのか?」ではないでしょうか。10年以上前に借り入れをして以降、何度か引越しをしているのにどうして?と不安に思われても無理はありません。しかし、業者は債権回収目的という利害関係人であるため、顧客の住民票の異動について調査することができるのです。「何年も音沙汰がなかったのに、住民票を動かした途端に請求が来た」のはよく聞く話です。そしていったん督促が再開されると、きちんとした手続をしない限り、また督促が続くことになります。たとえ消滅時効の期間が経過していても、それを援用する旨の主張をしない限り、時の経過で借金が自動的に消えることはないからです。

 そして訪問による督促を受けたことを、「家族には知られたくない」と思われるのも当然でしょう。借り入れをした10年以上前とは生活環境が変わっている方も多くみえると思います。当時は独身だったが、現在は結婚している場合、配偶者に過去の借金のことは知らせていない事が一般的ではないかと思います。そういった場合、過去の借金を配偶者に知られることが、今の生活に何らかの影響を及ぼすことは想像に難くありません。そして業者はそういった弱みにも付け込んできます。

 また、長期間返済をしていなければ、残元金に加え、びっくりするほどの高額な遅延損害金を上乗せされて請求されますので、その金額を見ただけで狼狽えてしまう方もいるかと思います。その場合の業者の常套手段としては、まずその額を一括で支払えと請求しておき、「今日のところは手持ちの分だけ払ってもらえば、後は分割の相談に乗る」等と甘言を弄してきます。そこで安心して払ってしまってはいけません。

 突然訪問を受け、「早く帰って欲しい」「家族に知られるかもしれない」「近所の目もある」等々動揺もされるでしょうが、うっかり1,000円でも払ってしまえば、遅延損害金を含めた全額を認めてしまったことになり(債務の承認)、その後の消滅時効の援用は大変困難になります。

 もしこのような訪問による督促を受けた場合、早くその場を切り抜けたいからといって安易な対応をせず、「身に覚えがない」「専門家に相談するから」とだけ繰り返し言い、あまり長く話さずにいったん帰ってもらうことです。その後、早急に司法書士等に消滅時効援用の手続を依頼すべきです。

■日本司法支援センター(法テラス)の利用について

2021-02-05

 債務整理を依頼しようと考える場合、専門家への費用がいくらかかるのか?とうことは、かなり重要なことです。ただ、それを心配しすぎて債務整理を躊躇することで、いつまでたっても生活状況が改善できなければ、それはそれで本末転倒です。

 ご存じの方も多いでしょうが、そんな場合に「日本司法支援センター(法テラス)」の民事法律扶助という公的な制度があります。司法書士等の専門家への費用を、法テラスが全額立て替えてくれる制度です。そして費用の額も、法テラスの基準になりますので、事務所の正規の費用より安く依頼することができます。

 例えば、1社の任意整理を依頼する場合、着手金が33,000円、実費が10,000円の合計43,000円、2社であれば着手金が49,500円、実費が15,000円の合計64,500円、3社であれば着手金が66,000円、実費が20,000円の合計86,000円であり、もちろん減額報酬等、これ以外の費用はかかりません。そしてこの金額を、毎月5,000円、7,000円、10,000円のいずれかで分割して払っていくことになります。

 通常の任意整理でも費用は分割払いですが、その費用を全額払い込んでから業者と和解し、返済開始となります。ですから、業者と和解できるのは、依頼時から数か月後になるのが一般的です。そうすると、それまでの経過利息を加算して返済しなければならず、支払額が大きくなってしまうこともあります。しかし、法テラスを利用する場合は、事務所の費用を一括して法テラスが立て替えてくれるので、早期の和解が可能になり、その分、早く返済を再開することもできるため、結果として、支払額を少しでも抑えることができます。

 ただ、法テラスを利用するには「資力基準」を満たさなければなりません。これは、賞与を含んだ手取り月収が、単身者であれば「182,000円」以下、2人家族であれば「251,000円」以下、3人家族であれば「272,000円」以下等と決まっています。ただし、家賃や住宅ローン、医療費、教育費等の出費は、一定額を上限として考慮されるので、必ずしも上記の基準額を超えると利用できないとは限りません。

 当事務所では、積極的に法テラスの利用を勧めていますので、お気軽にお問合せ下さい。

■保証債務と消滅時効の援用

2021-01-29

 身に覚えのない借金の督促や、聞いたこともない債権回収会社から請求を受けた場合、どのような対応をされるでしょうか? 借りた覚えもないので何もせずにそのまま放置するのも一つの方法でしょうが、先日相談に来られた方で、以下のようなケースがありました。

 1年ぐらい前から、ある債権回収会社より「百数十万円を払え」という督促状が届くようになったのですが、まったく身に覚えがないため、「架空請求」や「詐欺」ではないかと考え、無視し続けていました。督促状は毎月送られてくるようになり、そのたびごとに「遅延損害金」も増え、請求額も大きくなってきていました。

 ネットで調べたところ、その債権回収会社は実在し、しかもかなりの大手でしたので、どうやら「架空請求」や「詐欺」ではなさそうでしたが、であればなおのことおかしいのでは?と考えました。なぜなら、そのご相談者は、これまで車のローンも組んだことはなく、クレジットカードすら1枚も持っていません。まして「借金」などしたことがなかったからです。

 ただ、煩わしい督促の電話がかかってくるわけでもなく、月1回督促状が届くだけなので、そのままゴミ箱へ放り込んで済ませていました。あえてその会社に問い合わせることもしませんでした。まったく身に覚えのない方なら、当然の行動かもしれません。

 しかし、しばらくすると裁判所から呼出状が届きました。訴えたのは督促状を送ってきていた債権回収会社であり、「被告」のところには自分の名前が書いてあります。単なる郵便での督促状であれば無視で済ましてきましたが、さすがに裁判所からの通知には何かしなければと考えられ、当事務所に相談にみえました。

 訴状から内容を確認したところ、ご自身の借金等の請求ではなく、10年以上前に知人の車のローンの「連帯保証人」になっておられ、その知人がずっと返済を怠っていたため、連帯保証人であるご相談者に請求がきていたことが判明しました。

 その説明をしたところ、確かに知人の連帯保証人になったことを思い出したとの事でした。訴状によると、ローンは4年払いでしたが、契約から2年目を過ぎたころから支払いをしていない様子でした。そう言われると、その頃たまに自分のところへローン会社から請求書が送られていたような気がするとの事でした。しかしそれ以上の督促もなかったため忘れてしまったようで、また、その知人とも疎遠になっていたため、連帯保証人になったこと自体を失念していたようでした。

 自分で借りたものであれば忘れることはないでしょうが、保証人は自分が返済をするわけではないため、このご相談者のように「連帯保証人になったこと自体」を忘れてしまうこともあるでしょう。また、保証した相手が家族であればともかく、単なる知人であれば、その後の環境の変化で付き合いがなくなることもあるため、忘れてしまってもやむを得ないといえるのではないかと思います。ただ、その知人との関係が途絶えたとしても、当然ですが、保証人としての地位が消えることはありません。

 ご相談者の場合は、主たる債務者(知人)の最終弁済日から5年以上が経過していたので、裁判上で消滅時効の援用を行い、無事に保証債務を消滅させることができ、大変喜んでいただけました。裁判所からの通知が届いた時に何も対応しなければ、自分が借りてもいない200万円程の債務を背負いかねないところでした。

 このようなケースもあるため、身に覚えのない借金の督促や、聞いたこともない債権回収会社から請求を受けた場合は、放置することなく、まずは専門家へのご相談をお勧めします。

■亡くなった親の借金は払わないといけないか?

2021-01-23

「亡くなった父親の借金の督促が自分のところに来た。払わなくてはいけないか?」先日、このような相談がありました。

 相続人は、相続開始のときから、被相続人(亡くなった方)のすべての権利と義務を引き継ぐことになります。すべての「権利」と「義務」ですから、プラスの財産もマイナスの財産も全部まとめて承継されることになるので、被相続人の借金の督促が、相続人のところへきてもおかしくありません。また、被相続人が誰かの保証人になっていたような場合、保証債務も相続の対象になりますので、「保証人としての地位」も引き継がれることになります。

 借金は原則として法定相続分に応じて返済しなければなりません。例えば、夫と妻、子供二人の家族であれば、夫が亡くなった場合、その財産は妻が2分の1、子供が4分の1ずつ相続することになります。

 家庭の状況にもよりますが、それほど高額でない場合は、そのまま支払って済ませることもあるでしょうが、数百万円単位であったりすれば、そう簡単に支払えるものではありません。ではその場合、親の借金を子が払わないといけないのでしょうか?

 こういった場合に、「相続放棄」という方法があります。家庭裁判所で行う手続ですが、これが認められれば、「初めから相続人でなかった」ことになりますので、上記のような支払義務から免れることができます。ここで注意点ですが、相続放棄は、原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」にしなければなりません。この期間を過ぎてしまうと、「単純承認」といって、被相続人のすべての財産を引き継いだことになってしまいます。ただ、被相続人とは数十年も音信不通であったりして、上記の債権者からの督促で初めて被相続人が亡くなったことを知ったというこも考えられます。その時点で3ヶ月を過ぎていた場合は、起算点をずらすことで相続放棄が可能な場合もあります。

 また、相続放棄は、「初めから相続人でなかった」ことになるため、上記のとおり借金の支払義務から免れることができますが、その反面、プラスの財産も放棄してしまうことになります。ですから、被相続人の借金が発覚したから「相続放棄」ではなく、プラスの財産とマイナスの財産を検討した上、どのような方法をとるかを決められると良いと思います。

 冒頭のご相談者については、詳しく話を伺った結果、被相続人にはほとんど財産がないとの事だったので、当事務所で相続放棄の手続のご依頼をいただき、無事、借金から免れることができました。

 司法書士は、裁判所へ提出する書類の作成も業務の範囲ですし、不動産の相続登記等も日々の業務として行っておりますので、相続問題にはそれなりの研鑽をしております。「親の借金の督促が自分のところへ来た」場合等、ご自身で債権者と話をされるより、まずは司法書士に相談されることをお勧めします。

■奨学金と債務整理

2021-01-14

 3年ほど前に出版された「ブラック奨学金」(今野晴貴著 文芸新書)という本があります。日本の奨学金制度について考察し、諸外国の奨学金との比較や、滞納した場合における日本学生支援機構の取立方法に言及してあり、一読の価値があります。

 債務整理の相談に来られる30代以下の世代の方の中には、債権者の中に日本学生支援機構が入って方も散見されます。奨学金自体の利息は低く設定してあるため、通常の貸金業者やカード会社と比べてメリットは低いです。しかし、奨学金を債務整理手続に入れる際の最大の障害は、「奨学金には保証人」がついていることです(機関保証を除く)。

 債務整理手続(任意整理や法的整理を問わず)を開始すると、債権者は通常の弁済が困難になったと判断し、保証人(原則父母や叔父叔母等)へ請求することになります。ということで、両親や親戚へは迷惑を掛けられないと考える方がほとんどですので、奨学金を除外した他の貸金業者のみで債務整理をしていくことが多いです。

 奨学金の返済を長期間怠っていると、一括請求を求めた上で、裁判所に支払督促を申し立てることがあります(おおむね9ヶ月以上の滞納)。これを無視してしまうと相手方の言い分がすべて認められることになり、大変な不利益を被ることになりますので、専門家への相談をお勧めします。奨学金の返済には、「返還期限猶予」や「減額」の制度もあるようですので、日本学生支援機構へ返済の相談をしてみるのもひとつの方法です。

 奨学金も「貸金」であることには変わりありませんので、消滅時効は存在します。しかし、日本学生支援機構は、いわゆる「商人」ではありませんので、サラ金やカード会社のように5年ではなく、「10年」です。よって、消滅時効の援用はなかなか難しいでしょう。但しこれも、上記の支払督促のような裁判上の請求をされた場合は、さらに消滅時効の完成は猶予されます。

 また、長期間の返済を怠っている方に対して、その回収を債権回収会社に委託することもあります(アルファ債権回収、日立キャピタル債権回収等)。その場合は、債権回収会社から督促状等が届くことになりますので、知らない業者だからと無視してはいけません。

 いずれにせよ、日本学生支援機構が貸主とはいえ、奨学金も「借金」には変わりありませんので、通常の貸金業者やカード会社と同様、返済が難しくなった場合は放置(放置すると遅延損害金が増えていくだけです)せず、早めに専門家へご相談下さい。

■債務整理にかかる費用について

2021-01-06

 債務整理にかかる費用については、「破産手続」や「個人再生手続」であれば、事務所の報酬とは別に、裁判所へ納める予納金や切手代が必要となります。この予納金の額は事件によって異なり、多い時は数十万円を納めなくてはならないこともあります。

 しかし、業者と話し合いで解決する「任意整理」であれば、特別なことがない限り、事務所の報酬だけで済みます。よって、任意整理の依頼を検討する場合、「報酬がいくらか?」ということは、事務所を選ぶ際の大きなポイントとなると思います。

 先日、いったん別の事務所に依頼していたが、報酬が高くて払えなくなり、いろいろ調べた結果、当事務所に来られたという方がみえました。A社で30万円、B社で60万円、C社で80万円、合計約200万円の借入があるという内容です。

 初めに依頼した事務所では、3社で着手金と事務手数料で15万円と消費税、利息のカットもしくは減額で和解できた場合の成功報酬が12万円と消費税で、合計約30万円の報酬だとのことでした。約30万円ということは、A社の負債額とほぼ同じです。これでは、債務整理をして支払額が減ったとしても、新たな借金を抱え込むようなもので、本当にメリットがあるのかどうか疑問です。

 その方は、支払日が迫っていたので、詳しく調べたり、他の事務所と比較することもなく、広告でよく見る事務所に依頼してしまったとの事でした。しかし、依頼後に落ち着いて考えてみたところ、ちょっと高すぎないか?と思われ、他の事務所の報酬等も調べた結果、当事務所に来られたようでした。

 この内容を当事務所でお受けした場合、任意整理の基本報酬が3社で9万円、通信費が3社で6千円ですので、税込みで105,600円で済むことになり、約20万円の差が出ます。こういったことをお話しした結果、前の事務所を辞められ、当事務所で受任することとなりました。

 任意整理の場合、長期の分割が組めるかどうか、利息のカットや減額ができるかどうかは、依頼者の方と該当業者のこれまでの取引内容に左右されることが多く(取引期間の長短、これまでの返済状況等)、報酬が高い事務所に依頼したから良い結果が得られるものではありません。報酬の高い安いにかかわらず、できるものはできますし、できないものはできないということです。

 このように、ご依頼者の負債状況によっては、選ぶ事務所により報酬の差が数十万円に及ぶこともあります。債務整理をお考えの場合、広告でよく見るからとか、大手だからという理由ではなく、自分がいくら報酬を払わなければいけないのかということもしっかり検討した上で、依頼する事務所を決めることをお勧めします。

■コロナウィルスの影響によるローンの減免について

2020-12-22

 コロナウィルスの影響で失業、収入減等により、各種ローンの返済が難しくなった個人の方や個人事業主の方に対して、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」による債務減免を受けられる特則の運用が、12月1日から開始されています。

 ただし、コロナウィルスの影響で返済が困難になった借入等のみが対象とされ、具体的には、コロナウィルスの感染が増え始めた「令和2年2月1日以前に借りたローン等」に限られます。それ以後に組んだローンや、コロナウィルスの影響以外での借入は対象外のようです。

 流れとしては、まず借入残高が一番多い業者に本特則を利用することの相談をし、その同意を得られたら地元の弁護士会を通じて弁護士を選任してもらい、その他の業者との協議を行います。そして全業者の同意が得られたら、簡易裁判所の特定手続を経た後、減免となります。

 この特則を利用することのメリットとして以下の点があります。

 ①金融機関の信用情報に事故情報として載らない(俗に言うブラックリスト入りしない)

 ⇒この制度を利用した後も、新たな融資を受けられる可能性がある

 ②連帯保証人に請求がいかない

 ⇒保証人に迷惑をかけずに債務整理をすることができる

 ③住宅ローンとその他のカードローンを切り離して整理できる

 ⇒自宅を保持したたまま債務整理ができる

 また、デメリットとしては、

 ①まずは自分で話をしなければならない

 ⇒ご自身で金融機関へ連絡をし、話をしなければなりません

 ②あくまでの「ガイドライン」なので、全業者の同意が必要となる

 ⇒法律ではないので、強制力はありません

 ③特定調停は、一種の「裁判」である

 ⇒特定調停による合意は「債務名義」となるため、以後不払いがあったりすると、給料や口座を差押えられるおそれがあります

 ご自身にあった債務整理の方法をよく考えられ、又は専門家に相談されてから、どの方法をとるかを検討されるのが良いかと思います。

 当事務所では、平日休日を問わず、午前9時から午後8時まで相談を受け付けております。0800-200-2111まで、お気軽にお問合せ下さい。

« Older Entries Newer Entries »

トップへ戻る

08002002111電話番号リンク 問い合わせバナー