司法書士 寺山 高史（てらやま たかふみ）
子供のころから車が好きで、大学時代に日産のフェアレディZ（当時で５年落ち）を４年ローンで購入しましたが、これがその後の人生を変えることになるとは夢にも思いませんでした。
時は平成初期、多くの若者は車に心血を注いでいた時代です。
私も同様でした。購入後すぐにマフラーを替えました。排気音が心地よい低音に変わりましたが、興味のない人には騒音としか聞こえなかったと思います。
それからタイヤを２サイズほど太いものに取り換え、それに合わせてホイールも替えました。当時よく見たメッシュタイプのものですが、今はほとんど見かけませんね。それから当たり前ですが、もちろんオーディオも替えています。
小さなところでは、ハンドルとシフトレバーをイタリア製のものへ交換しました。さらにその後、運転席と助手席のシートもドイツ製のものに替えてしまいました。
これらの改造費は総額で１５０万円ほどかかりましたが、さて支払いはどうしたでしょうか？
答えは「すべてローン」です。頭金は１円も払っていません。
車の購入費も含め、弱冠２０歳で３５０万円のローンを背負うことになったのです。もちろん１００％自業自得です。これらのローンの支払いは月７万円ほど、今から思えば、信販会社もよく貸してくれたなぁと思いますよ。
もうひとつ言うと、このフェアレディZを購入する半年ほど前、カワサキのエリミネーター４００SEというバイクを新車で購入しております。もちろん頭金ゼロのフルローンです。これの支払いが毎月１万５０００円でした。ちなみにこのバイクを購入した時はまだ１９歳でしたが、店頭で購入後、そのまま乗って帰ることができました。親の承諾ももらっていません。思えば良い時代でした。
これらのローンの返済のため、いっそうアルバイトに勤しまなくてはならない状況となりました。そうなれば当然学業に支障が出てきます。簡単に言うと、学校へは行かなくなりました（行けなくなった？）。法学部でしたが、民法って何？というレベルです。
その後はお決まりのコースをたどります。留年を重ねた結果、４年間在籍だけして退学しました。バブル末期で大卒の就職は超売り手市場でしたが、私には無縁でした。
もともと、いつかは「自分で何かやりたい」という思いがありましたので、退学後は、あえていろんな職種を経験することにしました。住宅メーカーの営業、資格教材の販売、電話機の訪問販売、石油タンクの清掃、風俗店の店員、中古車販売業、警備員等々、数多くの職種を経験しました。
ほとんどアルバイトでしたが、この間にいろいろな方と接することができ、その後の人生に大きな財産となったのは有難かったと思っています。
大学を辞めてから３年ほど経ったころ、友人の紹介で不動産会社に就職し、ここで初めて「司法書士」という資格を知りました。もちろんすぐに「この資格を取ろう」と思ったわけではありません。
ただ、不動産会社での仕事にはやりがいを感じていたので、数回の受験の末、宅地建物取引主任者（当時）の資格を取りました。法学部生でしたが、前に述べたとおり法律については素人以下でしたので、勉強はなかなか大変でした。ですが、この宅地建物取引主任者試験に合格したことで、ずっと以前から思っていた「自分で何かやりたい」という気持ちが再び大きくなりました。しかし、自分で独立してやっていくとなると、もっと難しい資格の方が良いのでは？と漠然と思い立ったわけです。動機はとても単純です。
そこで、仕事上身近であった司法書士という資格を調べてみました。もともと「不動産登記の専門家」ぐらいの知識しかありませんでしたが、法律の改正で、登記以外に裁判業務もできるようになり、業務の幅が広がっていたことを知りました。合格率は約３％との事でしたが、一念発起し、司法書士の資格を目指すことにしました。すでに３０代の半ばを過ぎていました。
結局、３回目の受験で合格しましたが、運が良かっただけだと思います。おそらくこの時に合格していなければ、今もまだ受験勉強をしていたかもしれません。
その後、債務整理を専門にしている大手の司法書士法人に入社し、約１０年間勤めた後、ようやく独立しました。
自業自得とはいえ、２０代半ば過ぎまでローンの返済に追われ、返済のために働いていたようなものでした。しかし、わたし自身がそういう経験をしたことで、借金で悩んでいる方の気持ちも、ほんの少しは分かるつもりです。また、司法書士になってから１０年以上、およそ２０００件の借金問題のご相談にのり、解決してきた実績もあります。
司法書士として、単に法律の知識を使って一律に解決するのではなく、ご依頼者に寄り添い、その状況に応じて最善の解決策をご提案致しますので、どうぞお気軽にご相談下さい。
司法書士 寺山 高史
