借金を減額して支払いたい

◇ご相談内容(Kさん 50代既婚男性)

40代前半で管理職についてKさん。部下を連れて飲みに行く回数が増えます。当然支払いはKさんです。悩みを聞くために飲みに誘い、大きな契約が取れたら飲みに誘いと、急に出費が増えました。奥さんから毎月もらう小遣いではとても足りませんが、部下の手前、「ワリカンね」とは言えません。また、管理職となれば、他の管理職との情報交換も必要です。そういうときは、いつもの居酒屋ではなく、少し高いお店にも行きます。そこではワリカンですが、支払いはいつもよりずっと高額です。

これまでクレジットカードの類を一切持っていなかったKさんですが、これらの交際費のため、初めて消費者金融から20万円借りました。銀行のATMからお金を引き出すような感じで、思っていたよりすっと簡単に借りることができたのです。「これで飲み代の心配をしなくいい」、そう思ったKさんは、その夜、数名の部下を誘って夜の街に繰り出したのでした…。

毎月決まった小遣いの中でやり繰りする生活を10年以上続けていたKさんですが、消費者金融から簡単にお金を借りることができると知り、その生活は一変しました。飲みに行く回数が増えたのはもちろんですが、部下にいい顔をしたいという気持ちもあり、行く店も少し高いところに変わりました。しかし、毎月の小遣いは、Kさんの生活の変化に対応できるほど値上げされることはありませんでした。借入先も2社、3社と増えていき、次第にKさんの生活を圧迫しています。幸か不幸か、Kさんの勤務先は大手の企業で、どこも簡単にお金を貸してくれたのです。しかし…。

50代の後半を迎えたKさん、消費者金融での借金は、5社で250万円までになり、毎月の返済は8万円です。定年し、退職した後のことも頭をよぎるようになりました。もちろん奥さんはKさんの借金のことを知りません。自分でも、よくここまで内緒でやってこられたなと思っています。「このままでは…」、これから先の人生に不安を覚えたKさんは、司法書士事務所へ相談に訪れました。

ご相談者

俗に言う自転車操業ですよ。それは自覚しています。今はまだ何とかなっていますが、これから先のことが不安で…

司法書士

奥さんはまったく知らないのですね?

ご相談者

ええ、まったく。妻に何か買ってやったわけでもなく、全部わたしの浪費ですから、バレたら離婚でしょうね

司法書士

まあまあ、今の段階でそこまで考えることはありませんよ。それで各社の残高や取引期間についてお聞きしたいのですが?

ご相談者

はい。A社とB社がそれぞれ50万円ずつ、取引年数は15年ぐらいでしょうか。C社が100万円、D社が50万円で、この2社は12~13年ぐらいですかね

司法書士

分かりました。はっきりしたことは調査してからになりますが、取引年数からして借金が減るかもしれませんし、場合によっては過払金が発生している可能性もありますよ

ご相談者

借金が減る?そんなこともあるんですか…。いずれにしても、今の状況が少しでも良くなれば、それでいいですので、よろしくお願いします

 

司法書士による債権調査の結果、Kさんが取引をしていたA社、B社は借金がなくなった上、それぞれ30万円、20万円の過払金が発生していた。C社は借金がゼロになり、D社は50万円あった借金が10万円になり、回収した過払金で一括返済することができた。

 

〇司法書士からのアドバイス

利息制限法の上限利率を超える金利で取引している場合、法律に基づいた引き直し計算をすることで、借金が大幅に減ったり、あるいはなくなったり、又は過払金が発生していることがあります。平成19年以前から消費者金融やカード会社でのキャッシングを利用している方は、一度ご相談下さい。

 

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