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リボ払いの任意整理|利息カットのメリットとデメリットを解説

2025-11-12

「返しても減らない…」リボ払いの終わりなき返済、なぜ?

「毎月きちんと返済しているのに、なぜか借金の元金がほとんど減らない…」
クレジットカードのリボ払いを利用されている方から、このような切実なご相談を本当によくお受けします。便利な仕組みに思えるリボ払いですが、その裏には高い手数料(利息)という大きな落とし穴が潜んでいます。

リボ払いの手数料(年率)は業者や契約条件により異なりますが、一般的に10%台〜18%程度の設定例が多く、消費者金融のカードローン金利とも重なるレンジがある場合があります(業者により差があります)。具体的な金利は利用中のカード会社の契約書・約款で確認してください。毎月の返済額のうち、かなりの部分がこの手数料の支払いに充てられてしまうため、元金の減りが非常に遅くなってしまうのです。気づいた時には、返済総額が利用額をはるかに超えていた、というケースも決して珍しくありません。

もしあなたが今、出口の見えない返済に不安を感じているなら、それは決してあなた一人の問題ではありません。この記事では、その苦しい状況を解決するための一つの有効な方法である「任意整理」について、分かりやすくご説明していきます。

任意整理でリボ払いの負担はこう変わる!利息カットの仕組み

任意整理とは、司法書士などの専門家があなたに代わってクレジットカード会社などの貸金業者と交渉し、無理のない返済計画を立て直す手続きのことです。この手続きの最大のポイントは、任意整理では通常、将来利息の免除を求める交渉が行われます。一方、遅延損害金の取り扱いは債権者との合意によって異なるため、必ずカットされるとは限りません。そして、残った元本のみを3年〜5年(36回〜60回)程度の分割で返済していく点にあります。

例えば、50万円のリボ払いの残高がある場合を考えてみましょう。任意整理をせずに返済を続けると、毎月の返済額の多くが利息に消えてしまいますが、任意整理による和解で将来利息の免除が合意されるケースが多く、その場合は以後の利息が発生しないため元本返済に充てられやすくなります。ただし和解内容は債権者ごとに異なります。そのため、和解が成立すれば、将来利息の免除等により元本返済が進みやすくなる場合があります。

メリット:将来利息のカットで返済のゴールが見える

任意整理の最大のメリットは、なんといっても将来利息がカットされることです。これにより、これまで利息の支払いに追われていた状況から解放され、「あと何回支払えば終わる」という明確なゴールが見えるようになります。これは精神的に非常に大きな安心感に繋がります。

また、私たちがご依頼を受けると、すぐに貸金業者へ「受任通知」という書類を送ります。受任通知が届くと、一般的には債権者による本人への直接的な督促や取り立てが停止されることが多いです。ただし例外や保証人への対応、内部手続きの継続があり得るため、完全に停止するかは個別の事例次第です。鳴りやまない電話や郵便物に悩まされていた方にとっては、これだけでも心が軽くなるはずです。

任意整理を専門家に依頼し、貸金業者からの督促が止まって安心している様子のイラスト

デメリット:知っておくべき信用情報への影響と注意点

もちろん、任意整理にはメリットだけでなく、知っておくべき注意点もあります。最も大きなものが、信用情報機関に事故情報が登録される、いわゆる「ブラックリストに載る」という状態になることです。

これにより、任意整理の情報は一般に完済後約5年程度信用情報に記録されることが多く(ただし信用情報機関や契約時期によって起算点・期間に差があります)、その間はクレジットカードの発行やローン審査に通りにくくなる可能性があります。また、任意整理の対象としたクレジットカードは強制的に解約となり、使えなくなります。公共料金や携帯電話料金などをそのカードで支払っている場合は、支払い方法の変更手続きが必要になることも覚えておきましょう。

これらのデメリットを理解した上で、ご自身の生活再建にとって任意整理が最善の道かを一緒に考えていくことが大切です。

もしも…和解後に返済が厳しくなったら?対処法を知って安心

「任意整理で一度は和解したけれど、急な失業や病気で決まった金額を返せなくなってしまったらどうしよう…」
このような不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。任意整理後の返済は長期にわたることが多いですから、その間に予期せぬ事態が起こる可能性もゼロではありません。

しかし、万が一返済が困難になった場合でも、決して一人で抱え込まないでください。まずは、すぐに手続きを依頼した司法書士に相談することが何よりも重要です。

早めにご相談いただければ、貸金業者と再度交渉して月々の返済額を減らしてもらう「再和解」を目指したり、他に借金があればそれもまとめて整理する「追加介入」を検討したりと、打てる手は残されています。大切なのは、支払いが滞る前に専門家に連絡し、一緒に解決策を探ることです。「もう後がない」と諦める必要はありません。

任意整理の和解後に返済が困難になり、司法書士に相談して解決策を見出している様子のイラスト

リボ払いの悩み、一人で抱えずにご相談ください

実は、私自身も過去に多額のローン返済で苦しんだ経験があります。だからこそ、「誰にも相談できない」「この先どうなってしまうんだろう」という、あなたのその不安な気持ちが痛いほどよく分かります。

債務整理は、決して特別なことではありません。あなたの人生をもう一度前向きなものにするための、大切な「生活再建の第一歩」です。

司法書士てらやま事務所(代表 寺山高史 / 愛知県司法書士会所属 / 名古屋市中村区則武2丁目14番4号)では、ご相談は無料です。あなたが納得できるまで、じっくりお話を伺います。また、当事務所では原則として着手金を頂戴しておりません。費用の分割については個別に相談の上、可能な範囲で対応します。詳細は費用表と相談時にご説明しますので、今手元にお金がなくても心配はいりません。

一人で悩み続けるのは、今日で終わりにしませんか。勇気を出して、まずはお気軽にご連絡ください。当事務所は任意整理の手続きに関する相談・手続きを行います。まずは現状を確認の上で、法的に可能な選択肢をご提案します。

無料相談はこちら

消滅時効の援用とは?失敗リスクと専門家への依頼を解説

2025-10-31

消滅時効の援用とは?借金がゼロになる仕組みを解説

「何年も返済していない借金があるけれど、もしかしたら払わなくてもよくなるかもしれない…」
もしあなたが長年返済できていない借金の督促状を前に、そんな期待と不安を抱えているなら、「消滅時効の援用(しょうめつじこうのえんよう)」という手続きが、その悩みを解決する糸口になるかもしれません。

消滅時効の援用は、一定期間が経過したことを根拠に債権者に時効の成立を主張する手続きで、援用が裁判所等で認められれば元本や利息・遅延損害金を含む請求が消滅する場合があります。但し、裁判判決が確定している場合や債務承認等の事情がある場合は時効が完成していても援用が認められないことがあるため、個別事案の精査が必要です。

「本当にそんなことが可能なの?」と驚かれるかもしれませんが、これは法律で認められた正当な権利です。ただし、この制度を正しく利用するには、いくつかの重要なポイントと、注意すべき落とし穴があります。

「時効」だけでは不十分。「援用」が必要な理由

多くの方が誤解しがちなのですが、借金の時効は、ただ時間が経てば自動的に成立するわけではありません。
法律で定められた期間(原則として5年または10年)が過ぎても、あなたが「時効なので支払いません」という意思表示、つまり「援用」をしなければ、借金の支払い義務はなくならないのです。

なぜ、このような「一手間」が必要なのでしょうか。
それは、法律には「権利の上に眠る者は保護しない」という考え方があるからです。時効という権利があるにもかかわらず、それを行使しない人まで自動的に助ける必要はない、と考えられているのです。

そのため、時効期間が過ぎていても、債権者は請求を続けることができます。そして、もしあなたが援用をしないまま、うっかり支払いの約束などをしてしまうと、時効の権利を失ってしまう可能性もあるのです。この「援用」という手続きこそが、借金問題を解決するための重要な鍵となります。

消滅時効が成立する「5年または10年」の条件とは

では、具体的にどれくらいの期間が経過すれば、時効の援用が可能になるのでしょうか。期間は、借金の状況によって主に2つのケースに分かれます。

  • 消滅時効の期間は、2020年民法改正により、原則として『権利を行使できることを知った時から5年、又は権利を行使できる時から10年のいずれか早い方』です。通常の借入では弁済期(返済期日)を起算点とするため事実上5年で考えられることが多いですが、債権がいつ発生したか等により旧法(10年)が適用される場合もあるため、個別事案で起算点と適用法を確認する必要があります。
  • 10年:過去に裁判を起こされ、判決や支払督促が確定している場合。この場合、時効期間は判決などが確定した日から10年に延長されます。

具体例の起算日は事案により異なります。一般的に弁済(又は期日)の翌日から起算される場合が多いですが、2019年発生の債権は改正前規定(旧法:原則10年)が適用される可能性もあるため、単純な日付例を出す場合は『個別の事情(発生時期・弁済期等)によって起算日が変わるため、正確な判定は専門家に確認してください』と注記してください。

ただし、これはあくまで原則です。ご自身の借金が時効の対象になるかどうかを正確に判断するには、専門的な知識が必要となります。

【要注意】時効の援用に失敗する3つのケースとリスク

消滅時効の援用は、正しく行えば借金問題を解決できる強力な手段ですが、一歩間違えると状況をさらに悪化させてしまう危険性もはらんでいます。ここでは、時効の援用に失敗する典型的な3つのケースと、その深刻なリスクについて解説します。

ケース1:時効が中断・更新(リセット)されていた

「5年以上経っているから大丈夫」と思っていても、気づかないうちに時効期間がリセットされていることがあります。これを「時効の更新(旧民法では中断)」と呼びます。時効が更新される主な理由は、以下の3つです。

  • 裁判上の請求:債権者から訴訟や支払督促などを起こされた場合。
  • 差押え:給与や預金口座などの財産を差し押さえられた場合。
  • 債務の承認:借金があることを認める言動をした場合。

特に注意が必要なのが「債務の承認」です。これは、あなた自身が意図せずに行ってしまう可能性が最も高い行為だからです。

ケース2:債権者に連絡して支払い約束をしてしまった

突然届いた督促状に慌ててしまい、債権者に電話をしてしまうのは非常に危険です。この電話でのやり取りが、「債務の承認」とみなされ、時効が更新されてしまう典型的な失敗例です。

例えば、以下のような発言は「債務の承認」にあたる可能性があります。

  • 「支払う意思はあるのですが、今は少し待ってください」
  • 「分割払いなら何とかなりませんか?」
  • 「1万円だけでも先に支払います」

債権者は、あなたにこうした発言をさせるためのプロです。少しでも支払うそぶりを見せると、その言質を取って時効の成立を阻止しようとします。督促状が届いた場合、むやみに債務の承認につながる発言をしないことがリスク回避の観点から重要ですが、状況により早期に専門家へ相談した上で対応(当事務所が窓口となる等)することが望ましいです。

失敗した場合のリスク:一括請求や給与差押えの可能性

もし、時効が成立していないのに援用通知を送ってしまったり、債務の承認をしてしまったりすると、どうなるのでしょうか。

それは、債権者に対して「ここに債務者がいます」と自ら知らせるようなものです。その結果、これまで請求が止まっていた借金について、長年分の遅延損害金を含めた金額の一括請求を受けることになります。

さらに、支払いに応じなければ裁判を起こされ、最終的にはあなたの給与や預金口座といった財産が差し押さえられる可能性も否定できません。安易な自己判断は、生活そのものを脅かす深刻な事態を招きかねないのです。

司法書士に依頼するメリットと手続きの流れ

消滅時効の援用は、失敗のリスクを避けるためにも、法律の専門家である司法書士に依頼することをおすすめします。専門家に任せることで、安全かつ確実に手続きを進めることができます。

もし、長年の借金問題でお悩みでしたら、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。あなたにとって最善の解決策を一緒に考えます。(司法書士てらやま事務所 代表 寺山 高史/名古屋市中村区則武2丁目14番4号 カーサスギトピア 2E/愛知県司法書士会所属)

司法書士と弁護士、どちらに依頼すべき?

「司法書士と弁護士、どちらに頼めばいいの?」というのも、よくいただくご質問です。

認定司法書士は、簡易裁判所における訴訟代理関係業務などを行うことができます。これには個別の債権額が140万円を超えない民事事件などが含まれます。消費者金融からの借入れやクレジットカードのリボ払いなどは、この範囲に収まるケースが多くあります。ただし、すべての司法書士がこの業務を行えるわけではなく、ご依頼いただく業務が代理権の範囲内かどうかは、個別にご確認ください。

費用については手続きの内容や債務の状況によって異なりますので、まずはお気軽にご相談いただき、お見積りをご確認ください。まずはご自身の借金の状況を確認し、司法書士への相談を検討してみてはいかがでしょうか。

【解決事例】裁判を起こされても時効援用で解決

時効の援用についてご相談に来られる方の中には、「もう裁判を起こされてしまった…」と、半ば諦めかけている方もいらっしゃいます。しかし、諦めるのはまだ早いかもしれません。

当事務所でお受けしたご相談の中には、10年以上返済をしていない債権者から訴状が届き、大変驚いてご相談に来られたというケースがありました。一般的には、裁判を起こされると支払い義務が生じると考えられがちですが、私たちはすぐに裁判記録などを確認し、時効期間が経過している可能性や、時効を更新させるような事由がないかを精査しました。そして、裁判手続きの中で、相手方に対し「消滅時効を援用します」と主張した結果、当該事案では裁判所が私たちの主張を認め、支払義務が法的に消滅したという事例があります(個別の事案で判断は異なります)。

これは、法律の知識を正しく使えば、絶望的に見える状況からでも生活を立て直すことができる、という証です。もしあなたが「もうダメだ」と感じていても、専門家が介入することで道が開ける可能性は十分にあります。

ご相談から解決までの4ステップ

当事務所にご依頼いただいた場合、以下のような流れで手続きを進めます。

  1. 無料相談:まず、あなたのお話をじっくり伺います。借金の状況や経緯など、どんなことでもお聞かせください。費用や手続きの流れについても、ご納得いただけるまで丁寧に説明します。
  2. 時効の調査:ご依頼後、当事務所があなたの代理人として、債権者から取引の履歴を取り寄せます。最後に取引した日などを正確に調査し、時効が成立しているかを確実に判断します。この時点で、すべての連絡は当事務所が窓口となり、あなたへの直接の督促はストップします。
  3. 時効援用通知の送付:時効の成立が確認できたら、司法書士の名前で「消滅時効を援用する」という内容証明郵便を債権者に送付します。これにより、法的に時効を主張したという証拠が残ります。
  4. 解決:債権者が時効の成立を認めれば、手続きは完了です。借金の支払い義務は正式になくなり、督促に悩まされることのない、穏やかな生活を取り戻すことができます。

まとめ:時効の援用は専門家へ相談を

消滅時効の援用は、長年の借金問題を根本から解決できる可能性を秘めた、非常に有効な手続きです。しかし、その一方で、ご自身で安易に進めてしまうと、時効がリセットされ、一括請求や差押えといった深刻な事態を招く危険性もあります。

安全かつ確実に手続きを成功させるためには、時効の成否を正確に判断し、適切な方法で援用を行う必要があります。そのためにも、ぜひ私たちのような借金問題の専門家にご相談ください。

一人で抱え込まず、どうか安心して、あなたの悩みをお聞かせください。一緒に生活再建への第一歩を踏み出しましょう。

借金返済で悩む方へ|司法書士に相談すべき5つのタイミング

2025-10-29

「もう限界かも…」借金返済でこんなサインはありませんか?

毎月の返済日が近づくたびに、胸が苦しくなるような思いをしていませんか?子どもの笑顔を見るたびに、「この子の将来のために、なんとかしなければ」と焦りを感じてはいませんか?

もし、あなたが今、以下のような状況に一つでも当てはまるなら、それは決して「気のせい」ではありません。一人で抱え込まずに、まずはご自身の状況を客観的に見つめてみてください。

  • 返済のために、別の会社からお金を借りてしまっている。
  • 給料日のほとんどが返済に消えてしまい、手元にほとんど残らない。
  • 知らない番号からの電話に、督促ではないかと怯えてしまう。
  • クレジットカードのリボ払いが一向に減らない。
  • 家族に内緒の借金があり、いつバレるかと不安で眠れない。
  • 将来の子どもの学費や自分たちの老後を考えると、目の前が真っ暗になる。

このような悩みは、決して特別なことではありません。真面目に頑張っている方ほど、誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまうものです。この記事は、そんなあなたが今の苦しい状況から抜け出し、安心して生活を取り戻すための第一歩です。どうか、最後までお付き合いください。

その悩み、放置は危険です。起こりうる最悪のシナリオ

「もう少し頑張れば、なんとかなるかもしれない」「誰かに相談するのは恥ずかしい」…そう思っているうちに、状況は刻一刻と悪化していく可能性があります。問題を先送りにすることで、どのような未来が待っているのでしょうか。

【1ヶ月後】遅延損害金で、借金が雪だるま式に増える
返済が一度でも遅れると、「遅延損害金」という高い利率のペナルティが発生します。これは通常の利息とは別に加算されるため、返済の負担はさらに重くなり、あっという間に借金が膨れ上がってしまう可能性があります。

【3ヶ月後】給与や大切な財産が差し押さえられる
滞納が続くと、債権者は裁判所に申し立てを行い、あなたの財産を強制的に差し押さえる手続きに入ることがあります。最も影響が大きいのが「給与の差押え」です。裁判所から勤務先に通知が届き、毎月の給料の一部が直接債権者に支払われることになります。これにより、借金の事実が会社に知られてしまうだけでなく、手取り収入が大幅に減り、生活はさらに困窮します。

【半年後】家族との関係が悪化し、精神的にも追い詰められる
差押えの通知が自宅に届いたり、絶え間ない督促の電話がかかってきたりすることで、隠していた借金が家族に知られてしまうケースは少なくありません。家族からの信頼を失い、家庭内がギクシャクしてしまうことも…。経済的な問題は、人の心から余裕を奪い、大切な人との関係にまで深刻な影響を及ぼしかねません。

自力での解決が難しいと感じたら、手遅れになる前に専門家の力を借りることが、あなたとご家族の未来を守ることに繋がります。

【相談事例】自己破産で借金がなくなり、将来のめどがついたケース

先日、ご相談に来られた方のお話です。その方は、真面目に働いていながらも、返済のために別のところから借りるという「自転車操業」の状態に陥り、先の見えない不安に苛まれていました。

「このままでは、子どもの将来の学費もどうなるかわからない…」

お話をじっくり伺うと、借金さえなくなれば、現在の収入で十分に生活を立て直せる状況でした。また、ご自宅などのめぼしい財産もお持ちではありませんでした。

そこで私たちは、生活再建のための最善の道として「自己破産」という手続きをご提案しました。手続きを進める中で、ご本人は大きな不安も感じていらっしゃいましたが、私たちは一つひとつ丁寧に説明し、最後まで寄り添いました。

最終的に、裁判所から免責(返済義務の免除)が認められ、すべての借金がゼロになりました。今では、借金の悩みから解放され、将来の計画を前向きに考えられるようになったと、晴れやかな表情でご報告くださいました。これは、特別な話ではありません。正しい手続きを踏むことで、誰にでも新しいスタートを切るチャンスがあるのです。

今すぐ司法書士に相談すべき5つのタイミング

「自分も相談した方がいいのかな?」と迷っている方のために、専門家への相談を強くおすすめする5つの具体的なサインをご紹介します。これらは、状況が悪化する前の重要なSOSです。

カレンダーの日付に赤い丸がつけられており、借金返済の相談タイミングの重要性を示している。
  1. 返済額が収入の3分の1を超えている
    手取り収入の3分の1以上を返済に充てている場合、家計はかなり危険な状態です。生活費や急な出費に対応できなくなり、新たな借金に手を出す悪循環に陥りやすくなります。
  2. 返済のために他社から借り入れをしたことがある
    いわゆる「自転車操業」の状態です。これは借金問題を解決しているのではなく、問題を先送りにしているにすぎません。利息の負担が増え、借金総額は確実に増えていきます。
  3. 半年以上返済を続けても元金がほとんど減らない
    毎月きちんと返済しているつもりでも、その多くが利息の支払いに充てられ、元金がなかなか減っていないケースがあります。特にリボ払いや高金利の借入がある場合は注意が必要です。
  4. 裁判所や債権者から督促状が届いた
    「支払督促」や「訴状」といった裁判所からの書類が届いた場合、事態はかなり深刻です。これを放置すると、財産の差押えなど強制執行の手続きに進んでしまいます。一刻も早くご相談ください。
  5. 家族に内緒の借金がある
    家族に言えない借金を抱えている精神的なストレスは計り知れません。問題が大きくなる前に専門家に相談することで、家族への影響を最小限に抑えながら解決できる可能性があります。

これらのサインに一つでも当てはまるなら、どうか一人で悩まず、専門家である私たちにご相談ください。

あなたに合う解決策は?任意整理と自己破産の選び方

債務整理には、いくつかの方法があります。ここでは、特にご相談の多い「任意整理」と「自己破産」について、どのような方に適しているのか、子育て世代の視点も交えて分かりやすく解説します。

任意整理自己破産
手続きの概要裁判所を通さず、司法書士が債権者と直接交渉し、将来利息のカットや返済期間の延長を目指す。自己破産は裁判所に申し立て、支払い不能を認めてもらうことで多くの債務の免除(免責)が得られます。ただし、税金や社会保険料、養育費など自己破産でも免責されない債権(非免責債権)があるため、免責の範囲は個別に確認が必要です。
借金の減額効果将来利息のカットが中心(元金は減らない)。原則として免責により支払義務が消滅する債務が多くありますが、税金や養育費などの非免責債権は残ることがあります。
財産への影響特定の財産(家や車など)を残せる可能性がある。一定額以上の財産は手放す必要がある。
保証人への影響保証人がいる借金を手続きから外すことができる。保証人に一括請求がいく。
向いている方・家や車を残したい・保証人に迷惑をかけたくない・3~5年で返済できる見込みがある・返済の目処が全く立たない・借金をゼロにして再出発したい・手元に残したい高価な財産がない
任意整理と自己破産の比較

【任意整理】将来の利息をカットし、無理なく返済したい方

任意整理は、裁判所を介さずに行う手続きです。司法書士があなたの代理人として貸金業者と直接交渉し、主に将来発生する利息をカットしてもらい、残った元金を3年~5年程度の分割で返済していく和解を目指します。

最大のメリットは、手続きの柔軟性です。
例えば、「住宅ローンはそのまま返済を続けて家を残したい」「友人が保証人になっている借金だけは対象から外したい」といったご希望に合わせて、交渉する相手を選ぶことができます。

また、裁判所を通さないため、手続きが比較的スピーディーで、ご家族に知られずに進めやすいという側面もあります。安定した収入があり、元金さえ返せれば生活を立て直せるという方にとって、非常に有効な手段です。

【自己破産】返済の目処が立たず、借金をゼロにして再出発したい方

自己破産は、裁判所に「支払い不能」であることを認めてもらい、税金などを除く全ての借金の支払義務を免除(免責)してもらう手続きです。収入が大幅に減ってしまった、借金の額が大きすぎて返済の目処が全く立たない、といった場合の最終的な救済手段と言えます。

「破産」という言葉にネガティブなイメージを持つ方もいらっしゃいますが、これは国が認めた、人生を再スタートさせるための前向きな制度です。

よく、「ギャンブルや浪費が原因の借金だと自己破産できないのでは?」と心配される方がいらっしゃいます。確かにこれらは「免責不許可事由」に該当する可能性はありますが、裁判官の判断により、反省の意を示し、手続きに真摯に協力することで免責が許可されるケース(裁量免責)も多くあります。「自分はダメかもしれない」と自己判断で諦めてしまう前に、まずは専門家にご相談いただくことが何よりも大切です。

債務整理でよくある誤解|子育て世代の不安にお答えします

債務整理を考える上で、子育て世代の方が最も心配されるのが、お子様への影響ではないでしょうか。ここでは、よくある誤解や不安について、Q&A形式でお答えします。

親と子が手をつないでいる様子。債務整理後も家族の絆は変わらず、子供の未来を守れることを象徴している。

Q1. 親が債務整理をすると、子どもの進学や就職に影響しますか?

A1. いいえ、直接的な影響は全くありません。

あなたが債務整理をしたという情報が、お子様の学校や就職先に知られることはありません。戸籍や住民票に記載されることもなく、進学や就職で不利になることは一切ありませんのでご安心ください。

Q2. 子どもの奨学金を借りる際に、親が保証人になれなくなりますか?

A2. はい、保証人になることは難しくなります。

債務整理をすると信用情報機関に事故情報が登録されるため(いわゆるブラックリスト)、一定期間、保証人になることはできません。しかし、奨学金には保証人が不要な「機関保証制度」というものがあります。多くの学生がこの制度を利用しており、保証人がいなくても奨学金を借りることは可能ですので、過度な心配は不要です。

Q3. 家族名義の財産(学資保険など)も手放さなければなりませんか?

A3. 原則として、あなた以外の名義の財産は処分の対象外です。

債務整理で影響を受けるのは、あくまで手続きをするご本人の財産です。配偶者やお子様名義の預貯金、学資保険などが勝手に解約させられることはありません。ただし、その財産の原資が実質的にご本人のものであると判断された場合など、例外的なケースもありますので、詳しくはご相談ください。

債務整理は、お子様の未来を奪うものではありません。むしろ、借金問題を解決し、親であるあなたが経済的・精神的に安定した生活を取り戻すことが、お子様にとって一番大切なことなのです。

勇気を出して一歩前へ。司法書士てらやま事務所が全力でサポートします

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
借金問題の解決には、専門的な知識だけでなく、何よりも「相談する勇気」が必要です。私たち司法書士てらやま事務所は、その勇気を出してくださったあなたに、全力で寄り添うことをお約束します。

当事務所が選ばれるのには理由があります。

  • 最初から最後まで、司法書士が直接対応します。
    事務員任せにすることは一切ありません。最初のご相談から手続きの完了、そしてその後の生活再建まで、一貫してあなたの担当者として責任を持ってサポートします。
  • 相談しやすさを何よりも大切にしています。
    ご相談は何度でも無料(※初回面談の範囲。書面作成など実作業は別途料金が発生する場合があります)で、時間制限もありません。着手金も不要(※費用のお支払いは分割払いが可能です)で、費用の分割払いにも柔軟に対応しています。経済的に苦しい状況だからこそ、安心してご依頼いただける体制を整えています。

まずは無料相談から。あなたの再出発を応援します。

相談から解決までの流れ

ご相談いただいてから、生活再建がスタートするまでの基本的な流れは以下の通りです。難しいことは何もありませんので、ご安心ください。

  1. 無料相談のご予約
    まずはお電話またはウェブサイトのフォームから、ご都合の良い日時をご予約ください。平日は20時まで、土日祝も対応しております。
  2. 司法書士との面談
    あなたの現在の状況、お悩み、ご希望などをじっくりとお聞かせください。秘密は厳守しますので、どんなことでも安心してお話しください。
  3. 方針決定とご契約
    お伺いした内容をもとに、あなたにとって最善の解決策をご提案します。手続きの内容や費用について丁寧にご説明し、あなたが完全に納得された上でご契約となります。無理に契約を勧めることは決してありません。
  4. 業者への受任通知(ここで督促が止まります)
    ご契約後、当事務所から各債権者へ受任通知を発送します。実務上、受任通知が届くと多くの場合は債権者からの本人への直接の取り立てや督促は停止されます。ただし、まれに対応しない業者や例外的な事情が生じる場合もあるため、停止が確実になるまでの注意点は面談時にご説明します。受任通知到達後、多くの場合は債権者からの直接の取立てや督促は止まるため、精神的負担が軽減されるケースが多いです。ただし、債権者が対応しない場合や銀行口座の扱い、期限の利益喪失などの例外的な影響が生じることもあるため、個別のリスクについては面談でご説明します。
  5. 手続き開始
    各債権者との交渉や、裁判所への申立てなど、全ての手続きは当事務所が責任を持って進めます。あなたは普段通りの生活を送りながら、私たちからの報告をお待ちいただくだけです。
  6. 生活再建のスタート
    和解成立や免責許可決定により、借金問題は解決です。ここからが、あなたの新しい人生の本当のスタート。当事務所は、返済が終わるその日まで、あなたの生活再建を継続的にサポートします。

司法書士からのメッセージ
「司法書士に相談するなんて、敷居が高い」「こんなことを相談して、怒られないだろうか」そんな心配は一切いりません。法律の知識を一方的に当てはめるのではなく、まずはあなたの話を、あなたの言葉で、じっくりと聞かせてください。

債務整理は、決して人生の終わりではありません。むしろ、これまでの状況をリセットし、ご自身とご家族のために、より良い未来を築き直すための「前向きな手続き」です。

一人で抱え込まず、どうか私たちを頼ってください。あなたが笑顔を取り戻すその日まで、私が責任を持って、全力でサポートさせていただきます。

【事務所情報】
司法書士てらやま事務所
代表司法書士 寺山 高史
愛知県司法書士会所属
所在地: 名古屋市中村区則武2丁目14番4号 カーサスギトピア 2E

任意整理と利息のカット

2025-02-08

「任意整理をすれば、将来の利息をカットしてもらえるのか?」

 債務整理を検討している方にとっては、とても関心のあることだと思います。将来の利息がカットされると、返済もかなり楽になるからです。結論からお伝えしますと、「カットしてくれる業者は多い」です。特に信販会社やクレジットカード会社は、ほとんどの業者が将来の利息カットには応じてくれています。

 ただ、利息にカットに応じてくれない場合もありますので、いくつか例をご紹介します。

①取引期間が短い

 消費者金融やカード会社は、利用者にお金を貸し、利息や手数料を付加して返済してもらうことで利益を上げているので、取引期間が短く返済回数が少ないと、ほとんど利息をもらっていない状態となります。その上で将来の利息をカットしてしまうと、貸しただけで損をすることになるからです。具体的な期間ですと、取引1年未満の場合は、利息のカットは難しくなります。ただ、その場合でも、利息自体の減額(18%から5%に減らしてもらう等)の交渉は可能ですので、任意整理のメリットはあります。

②任意整理開始の直前に多額を借りている

 債務整理のご依頼を受けますと、受任通知(債務整理を開始しますという内容の通知)を金融業者へ発送しますが、その依頼日の直前に大きな金額を借り入れたり、利用したりしている場合も、利息カットは難しくなります。これは業者側からみれば、「債務整理をする前提で借りた」と判断されることが多く、なかなか利息カットに応じてくれません。

③中小の消費者金融業者

 中小の消費者金融業者の場合、そもそも(たとえ長期の取引実績があっても)利息カットに応じてくれないところもあります。これは、大手と異なり利用者の数が少ないため、利息カットによる減収が会社にとってダメージが大きいからでしょう。また、中には受任通知が届いたら、すぐに訴えを提起してくる業者もありますので要注意です。

 当事務所では、多くの業者との交渉実績がありますので、任意整理をするとどのような結果になりそうか? 利息のカットができそうかどうか?等のご質問にもお答えすることができますので、任意整理をご検討中の方は一度ご相談下さい。

 

 

■相続登記の義務化について

2023-11-14

 先日、「土地について市役所か通知が来たが、これは何か?」という相談がありました。確認してみたところ、被相続人名義のままの土地の相続登記を促す通知でした。要するに、「早く土地の名義を変えないと、罰金を取られるかもしれないよ」という趣旨です。

 いろんなところで言われているのでご存知の方も多いでしょうが、令和6年4月から、相続登記が義務化されます。具体的には、相続する不動産があることを知ってから、正当な理由なく3年以内に相続登記をしないと、罰則(10万円以下の過料)が科されることになりました。

 これは、相続登記がなされることなく被相続人名義のままの不動産が放置されると、国や地方自治体や近隣から「建物の倒壊の危険性があっても対処できない」、「不法投棄される場所になる」、「土地の買収ができない」等々の問題となっていたためです。これらの問題を解決し、土地の利用を円滑に進めるために、相続登記が義務化されることになったのです。

 長期間相続登記を放置していますと、新たな相続が発生し、権利関係が複雑になるという問題もあります。例えば、亡くなった父名義の不動産の場合、通常相続人は妻と子ですが、年月が経ち、妻や子が亡くなると、権利者は孫の世代になります。当然、人数が増え、孫同士が疎遠になることも少なくありません。相続登記には戸籍は住民票等の書類が必要になりますが、そうした場合、連絡を取る事さえ難しくなりますので、書類の取得も難しくなってしまいます。

 今回のご相談者の場合は、祖父名義の土地でしたが、孫同士も近くに住んでいたため、それほど手間はかかりませんでしたが、遠方に住んでいると、書類のやり取りだけでも時間がかかってしまいます。

 また、前記の罰則(10万円以下の過料)については、これから相続が発生する方だけでなく、すでに相続が発生しているが、相続登記をしていない方も対象になるので注意が必要です。

 さらに、相続登記がなされていないと、不動産の売却が難しくなることがあります。つまり、「相続登記がなされていない」⇒「相続人間で揉めている」⇒「トラブルに巻き込まれるかもしれない」という流れで、買い控えされることもあります。

①相続登記をしないと罰則が科されるようになる

②相続登記をしない期間が長ければ長いほど、人的・物的に手間と費用がかかるようになる

③相続登記をしないと売却が難しくなる

 

 

■私でも破産できるのか?

2023-09-28

「私でも自己破産できるのでしょうか?」以前依頼のあった方からの質問でした。

 その方は40代の男性でひとり暮らし。10年以上同じ派遣会社で働いています。これまでも多少の昇給はあったのですが、お盆や年末年始等、休日が多い時は出勤日数が減り、当然その分収入も減ってしまいます。また、派遣先が変わったりする際に、次の派遣先に勤務する場合の待機期間等も給料は発生しません。

 そういった収入が少なく、生活が厳しいときに借り入れやクレジットカードの利用を始め、それが少しずつ増え、5社の利用で約350万円に達し、月の返済が10万円近くなったときに、当事務所へ相談にみえました。

 お話を伺ってみますと、毎月の手取りが多い時で20万円ほど、少ない時は17万円を切るとの事。そこから家賃が5万円、食費を切り詰めて約3万円、光熱費や電話代で2~3万円、通勤のためのガソリン代が約2万円、実家に仕送りが1万円、合計約13~14万円が固定での支出との事でした。

 そうすると毎月10万円近い返済は不可能で、返済したら借りなければ生活していくことはできません。ここ数年は返済したら借りられる分を借入て生活費に充てる、「自転車操業」の日々だったようです。もう少し家賃の安い所へ引っ越すことも考えたのですが、今の生活では新規入居の際の初期費用を貯めることはできず、かと言って新たに借り入れをして引越しをしたとしても、その後返済していける自信はありません。そんなことをお聞きしました。

 各金融業者と交渉し、将来の利息をカットして元金のみを返済していく「任意整理」だと、毎月の返済を6万円程度まで抑えることはできそうでした。確かに、現在の毎月10万円の返済が6万円に減額されれば、一見楽になるようにみえますが、今の生活状況をからすれば、それでもギリギリです。休みが多い月や体調を崩して仕事を休んだりした場合、すぐに払えなくなってしまいます。

 そこで「自己破産」の提案をしました。お聞きしたところ、借入の原因は収入が少なかった際の生活費の補填として借りたものが積み重なって増えたのであり、浪費やギャンブルでの利用もありませんでしたし、お持ちの財産も20年近く載っている自動車が1台だけとの事でしたので、特に破産への障害はありませんでした。

 そこで冒頭の「私でも自己破産できるのでしょうか?」と言われました。ご相談者は、破産とは、病気や怪我で働けなくなった人や、天災等で職場を失った人等、特別な事情がある人しかできない、自分のように健康で働けている人は、きちんと返済していくしかない、と考えられていたようです。

 破産にはそのような制限はなく、支払が不能であれば良い事を説明し、ただ、浪費やギャンブル、投資等での利用があった場合は、難しいときもある旨をお伝えし、自己破産でご依頼を受けました。

 債権調査の結果も、お聞きしていたとおり生活費での利用がほとんどでしたので、特に問題なく、免責決定が出て、すべての借金から解放されることになりました。

 自分が借りたものですので、返済していくのは当然ですが、どうしても難しい場合は自己破産手続を利用することができます。無理な任意整理をやっていっても、後々返済できなくなることもありますので、債務整理の依頼をする場合は、先々のことも考えてどの方法でいくかを考えられた方が良いです。

■自己破産と自動車の取り扱いについて

2023-08-04

 自己破産において、自動車を残せるかどうかは、まず、その自動車にローンが残っているかどうかより取扱が異なります。

■自動車ローンが残っている場合

 信販会社で自動車ローンを組んだ場合は、通常信販会社が所有権を持ったままになっています(車検証の所有者の欄に信販会社の名前が記載されているケース)。これを「所有権留保」と言いますが、ローンを完済するまでは、完全には自分のものになっていないということなので、ローンが滞った場合や、自己破産を申立ようとする場合は、信販会社に自動車を引き上げられてしまいます。これは、信販会社からすれば、約束を守らないから自動車を返してもらうということなので、むしろ当然のことです。よって、信販会社のローンが残っている場合は、自動車を残すことはできません。

 ただ、銀行等で自動車ローンを契約して自動車を購入した場合は、このような「所有権留保」がつくことはありませんので、引き上げられることはありません。

■自動車ローンがない場合

 初めから一括払いで購入した場合や、ローンをすでに完済している場合は、その自動車の価値等により、手元に残せるかどうかが変わってきます。

 名古屋地方裁判所の運用では、「初年度登録から7年以上経過」していて、「新車価格が300万円以下」の自動車は、原則として評価が「ゼロ」になりますので、手元に残すことができます(中古車屋の店頭で数十万円で売られていても、これは変わりません)。

 反対に、「初年度登録から7年未満」又は「新車価格が300万円超」の自動車については、破産申立時に「査定書」(中古車屋等で出してもらいます)を添付しなければなりません。そして、この査定額が20万円以上であれば、処分の対象となり、その代価は破産債権者への配当に回されてしまいます。

 このように、自己破産を申し立てる場合、必ず自動車が処分されるわけではなく、あくまでのその自動車の年式や価格によりますので、自動車を処分されるとして自己破産を躊躇されている方は、一度当事務所までお問合せ下さい。

■消滅時効の援用について(まとめ)

2023-07-31

 何度かこのコラムで消滅時効の援用についてご説明し、多くのご相談をいただいていますが、誤解されている方も多いため、改めてご説明します。

 ■消滅時効の援用とは?

 一言で言うと、「借金を帳消しにできる」制度です。

 消費者金融からの借金や、クレジットカードの利用代金等については、5年間払っていなければ、返済する義務がなくなります。携帯電話の未払い料金、端末の分割代金も同様です。

 5年で時効になるのに、なぜ10年間以上払っていない借金の請求が突然来たりするのでしょうか? 

 それは、消滅時効は、その時効を利用しようとする側から、時効を援用する旨の意思表示をして初めて効力が生まれるものだからです。この意思表示を、「援用」といいます。時効期間が経過しただけでは成立しないのです。

 ですから、消費者金融やクレジットカード会社は、「消滅時効の援用」がない限り、何年でも請求を続けるわけです。

 ■消滅時効の援用ができないケース

 ①裁判等を起こされている場合

 過去に訴訟や支払督促等の裁判上の請求をされている場合は、それらの判決等が確定してから10年間は「消滅時効の援用」ができません。もちろん、上記の日から10年経てば、同じように消滅時効の援用ができます。

 ②債務承認をしている場合

 「債務承認」とは、借金の存在を認めることです。ほんの一部を支払うことはもちろん、返済についての話をしたり、その旨の書面を取り交わしたりしてしまうと、そこから5年間は「消滅時効の援用」ができません。業者側が甘い言葉で少額でも払わせようとするのはこのためです。

 ある日突然督促状が届いた場合でも、業者へ直接連絡するのはNGです! 「消滅時効の援用」ができる場合であっても、その一本の電話でできなくなる可能性があります! 

 請求書や督促状が届いた場合は、ご自身で業者へ連絡するのではなく、まずは司法書士等の専門家へご相談することをお勧めします。

■リボ払いの仕組み

2023-06-27

 クレジットカードのリボ払いを利用されている方は多数みえると思いますが、リボ払いの利点としては、まず毎月の支払額を自分で決めることができることです。利用額がある程度増えても、支払額は変わらず利用しやすいので、ついつい使いすぎてしまった…ということもあるでしょう。

 ただ、「利用額が増えたのに支払額が変わらない」のは、一見ありがたいようですが、カード会社へのリボ手数料(おおむね年15%程度)をその分多く払っていることになるのです。それがリボ払いの大きなリスクでもあります。利用額に応じ、支払額から元金と手数料に振り分けられますので、利用額が少なければ元金に充てられる額が多くなり、利用額が大きくなればなるほど元金に充てられる額が小さくなり、その分リボ手数料が増える仕組みです。

 リボ払いで50万円、リボ手数料を年15%で利用した場合、毎月1万円ずつ返していくとすると、完済まで6年以上かかり、合計で30万円近い手数料を支払うことになります。しかもこの計算は、支払のみの場合ですので、以後も利用を続ければ、当然完済までそれ以上かかり、手数料ももっとたくさん払うことになります。

 また、リボ払いの場合、カードでの買い物が対象になるため、お金を借りているわけではないところが、「借金」をしているという実感を抱きにくく、カード会社もリボ払いを勧めてきますので、なかなか利用の歯止めが難しいところです。

 リボ払いから抜け出すには、残金を一括返済するか、司法書士等の専門家に依頼し、任意整理を行って将来の手数料を減額してもらうかのどちらかです。

 司法書士に依頼することで、カード会社からの連絡や督促は止まりますので、精神的な負担の軽減にも役立つと思います。借金の問題はなかなか人に相談し辛く、それだけに大きなストレスを抱えることになると思いますが、専門家に依頼することで安心感が得られ、適切なアドバイスとともに問題解決への糸口が見つかるでしょう。

 

■時効援用についてのQ&A

2022-12-19

 時効の援用についてよくある質問をまとめました。

Q:突然、10年以上前の借金の請求が来た。時効なので払わなくても良いですか?

A:原則として、5年以上払っていなければ(裁判を起こされた場合を除く)、消滅時効の援用ができます  が、年数が経ったら自動的に借金が消えるものではありません。こちらから、「消滅時効の援用」の手続をする必要があります。それをしない限り、何年経っても請求されます。

Q:5年以上前の借金を払っていない記憶があるが、その業者ではないところから請求が来た。無視して良いですか?

A:貸金業者が、長期間不払いの債権を他の業者に譲渡したり、債権回収業者に回収を委託することは良くあります。このような場合であれば、消滅時効の援用ができる可能性がありますので、無視をせずにご相談下さい。

Q:借りた業者は覚えているが、5年以上返済していないし、請求もきていない。この場合は何もしなくても良いですか?

A:消滅時効の援用ができるのに、そのまま放置することは、リスクを後回しにすることになり、あまりお勧めできません。何かのきっかけで債務の承認(借金を認めること)等をしてしまうと、以後時効の援用ができなくなります。

Q:消滅時効の援用をした場合、相手の業者は、時効で終了した旨の証明をだしてくれますか?

A:借金を完済した際は、完済証明等を出してくれますが、消滅時効の援用の場合は、借金を完済したわけではありませんので、そういった類の証明は出してくれません。後日また請求されるのでは?とのご心配もあるかと思います。当事務所では、これまで数百件の消滅時効援用手続をしていますが、後日また請求を受けた等の話を聞いたことはありません。

Q:時効の援用を依頼した場合、どのような流れになりますか?

A:ご依頼をいただいた後、まずは該当業者へ受任通知を発送し、これまでの取引内容に関する資料を開示してもらいます。開示後、内容を確認した上で、ご依頼者の代理人として消滅時効援用の通知を発送します。単に、消滅時効を援用する旨の内容証明郵便を作成するだけの業務ではありません。

Q:時効の援用の依頼をした場合、費用はいくらかかりますか?

A:請求されている金額にかかわらず、1社35,200円(税込)です。裁判への対応が必要となる場合は、1社11,000円(税込)が加算されます。無事に消滅時効が援用できた場合でも、成功報酬等は必要ありません。

Q:消滅時効の援用ができなかった場合はどうなりますか?

A:最終弁済日から5年経っていなかった、裁判を起こされていた場合等は、消滅時効の援用ができない事があります。その場合は、任意整理や自己破産等の代替案をご提案致します。

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