消費者金融とカード会社、債務整理での違いを司法書士が解説

消費者金融とカード会社、借金の性質はどう違う?

「消費者金融からのキャッシングと、クレジットカードのリボ払いが積み重なり、返済が苦しい…」
このように、複数の借入先からの返済に追われている方は少なくありません。そして、債務整理を考え始めたとき、「借入先が消費者金融か、それともカード会社かで、何か違いはあるのだろうか?」という疑問が浮かぶことでしょう。

実は、この二つは似ているようで、その成り立ちや法律上の性質が異なります。そして、その違いは債務整理の手続き、特に交渉の進め方や結果に影響を及ぼすことがあるのです。

消費者金融は、主にお金を貸し付けること(金銭消費貸借契約)を事業としています。一方、クレジットカード会社は、商品の購入代金を一時的に立て替える「ショッピング利用」と、現金を貸し付ける「キャッシング利用」の二つの側面を持っています。特に、ショッピング利用分は、一般にクレジット会社との間の「立替払契約」に基づく支払義務として整理されるため、債務整理の際に特有の論点となることがあります。

返済が困難になったとき、これらの違いを理解しておくことは、ご自身の状況に合った最善の解決策を見つけるための第一歩となります。

債務整理における対応の違いを徹底比較

それでは、具体的に債務整理の手続きを進める上で、消費者金融とカード会社ではどのような対応の違いが見られるのでしょうか。「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つの手続きに分けて、実務上のポイントを解説します。債務整理の全体像については、債務整理の種類と選び方の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

任意整理:交渉の柔軟性と将来利息の扱いの違い

任意整理は、裁判所を介さず、司法書士などの専門家が債権者と直接交渉し、将来利息のカットや返済計画の見直しを目指す手続きです。

任意整理における消費者金融とクレジットカード会社の対応の違いを比較した図解。消費者金融は交渉に柔軟な傾向があり、カード会社は厳しい交渉になることがあることを示している。

一般的に、消費者金融は任意整理の交渉に比較的柔軟な傾向があります。長年の取引実績がある場合など、将来利息をカットした上で、60回(5年)程度の長期分割払いに応じてもらえるケースが多く見られます。これは、貸金業を主たる事業としているため、貸し倒れリスクを回避し、元本だけでも回収したいという経営判断が働きやすいためと考えられます。

一方、クレジットカード会社は、特に取引期間が短い場合やショッピング利用が大部分を占める場合に、交渉が厳しくなることがあります。特にリボ払いの任意整理では、将来利息のカットには応じてもらえても、分割回数を36回(3年)程度に短縮するよう求められることも少なくありません。これは、ショッピング債務が「立替金」という性質を持つため、純粋な貸付金とは異なるという主張が背景にある場合があります。

個人再生・自己破産:手続き上の注意点と財産への影響

裁判所を介して借金を大幅に減額(個人再生)したり、免除(自己破産)してもらったりする手続きでは、すべての債権者を平等に扱わなければなりません。

クレジットカードで購入した商品が自己破産で引き上げられる可能性を示唆するイラスト。男性が腕時計をカード会社に回収されている。

ここでも特に注意が必要なのは、クレジットカードのショッピング利用分です。カードを利用して購入した商品については、契約形態や加盟店・商品等によっては、代金を完済するまで所有権留保(例:信販会社等に所有権が留保される扱い)が問題となる場合があります。

そのため、自己破産の手続きにおいて、購入して間もない高価な商品(例えば、ブランド品や最新の家電など)は、カード会社によって引き上げられてしまう可能性があります。一方、消費者金融からの借金で購入したものは、原則として引き上げの対象にはなりません。

また、個人再生手続きでは、保有している財産の総額(清算価値)以上の金額を返済しなければならないというルールがあります。この際、所有権留保の対象となる商品も財産として評価されるかどうかが問題となるケースがあり、手続きが複雑化する要因にもなり得ます。過去に自己破産を経験された方が再度手続きを検討する際にも、こうした債権者の性質の違いは重要なポイントになります。

あなたの状況に合う専門家は?司法書士と弁護士の選び方

債務整理をスムーズに進めるためには、専門家の力が不可欠です。相談先として司法書士と弁護士が挙げられますが、どちらに依頼すべきか迷う方もいらっしゃるでしょう。

最も大きな違いは、取り扱える業務範囲(特に裁判手続の代理権)の違いです。法務大臣の認定を受けた司法書士(認定司法書士)は、簡易裁判所で取り扱う民事事件で訴訟の目的の価額が140万円を超えない請求事件等について、代理業務を行うことができます。一方、弁護士にはこのような制限はありません。

したがって、以下のような基準で検討するのが一つの方法です。

  • 1社あたりの借金が140万円以下で、費用を抑えつつ、親身な対応を求める場合:司法書士
  • 1社あたりの借金が140万円を超えている、あるいは将来的に訴訟へ発展する可能性が高い複雑な案件の場合:弁護士

借入額が1社あたり140万円以下かどうか等、状況によって適切な専門家は変わるため、まずは司法書士・弁護士いずれにも相談しやすい窓口で現状を整理するのがよいでしょう。司法書士は、弁護士と比較して債務整理の費用が抑えられる傾向にあります。

もし、相談の結果、司法書士の権限を超える案件であることが判明したとしても、信頼できる弁護士を紹介してもらえることがほとんどです。大切なのは、一人で抱え込まず、一日でも早く専門家の扉を叩くことです。

ご相談者様のお気持ちに寄り添い、法律的な手続きを進めるだけでなく、生活再建に向けた最善の道を一緒に探したいと考えています。どうぞ安心して、当事務所にご相談ください。

参照:司法書士の簡裁訴訟代理等関係業務の認定

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