訴状や訪問督促が来た時の時効援用【司法書士が解説】

突然の訴状や訪問…その請求、時効かもしれません

「特別送達」と書かれた裁判所からの封筒。あるいは、玄関先での突然の督促。長年忘れていたはずの借金の請求が、このような形で届いたとき、大きな不安を感じる方は少なくありません。頭が真っ白になり、「どうすればいいのか分からない」と一人で抱え込んでしまっていませんか。

この記事は、単に法律の条文を解説するためだけのものではありません。今まさにあなたが感じている不安や混乱に寄り添い、具体的な解決策を一緒に見つけるためのガイドです。

実は、長期間返済していない借金は「消滅時効」という制度によって、支払い義務がなくなる可能性があります。しかし、ただ時間が経つのを待つだけでは不十分で、「時効の援用」という手続きをきちんと行わなければなりません。もし時効が成立していれば、たとえ裁判を起こされたとしても、支払う必要はなくなるのです。

この重要な「時効の援用」について、全体像をまず理解したい方は、消滅時効の援用に関する基本からお読みいただくことをお勧めします。

状況別|今すぐやるべきこと・やってはいけないこと

パニック状態では、冷静な判断は難しいものです。しかし、ここでの対応を一つ間違えるだけで、時効で支払わずに済んだはずの借金を全額返済する義務を負ってしまう危険性があります。まずは深呼吸をして、ご自身の状況に合わせて以下の対応を確認してください。

ケース1:裁判所から「訴状」が届いた場合

裁判所からの特別な封筒(特別送達)が届くと、誰もが動揺します。しかし、これは無視してはいけない最後通告です。絶対に放置せず、すぐに行動を起こすことが重要です。

裁判所から訴状が届いた場合の対処法を図解したインフォグラフィック。やるべきこととして「開封・確認」「答弁書提出」、やってはいけないこととして「債権者への連絡」「放置」が示されている。

【今すぐやるべきこと】

  • 封筒を開封し、中身を確認する:まずは落ち着いて、同封されている「訴状」と「答弁書催告状」に目を通しましょう。特に以下の3点は必ず確認してください。
    1. 口頭弁論期日:裁判所に出頭する日時が指定されています。
    2. 答弁書の提出期限:通常、口頭弁論期日の1週間ほど前に設定されています。この期限が非常に重要です。
    3. 請求の原因:いつ、どこから、いくら借りたのかが記載されています。最後の返済日から5年以上経過しているかを確認しましょう。
  • 答弁書を提出する:期限内に「答弁書」を裁判所に提出しなければなりません。ここで「請求棄却を求める。詳細は追って主張する」とともに「消滅時効を援用する」という一文を記載することが極めて重要です。この一文があるだけで、相手の請求を退けられる可能性が生まれます。

【絶対にやってはいけないこと】

  • 債権者に直接連絡する:慌てて「支払いを少し待ってほしい」「分割でなら払える」などと伝えてしまうと、「債務の承認」とみなされ、時効がリセットされてしまいます。電話は絶対にしてはいけません。
  • 答弁書を提出せずに放置する:答弁書を出さずに期日を過ぎると、相手の主張をすべて認めたことになり、敗訴判決(欠席判決)が下されます。そうなれば、給与や預貯金などの財産を差し押さえられる可能性があります。

ケース2:業者が自宅に「訪問督促」に来た場合

突然、債権回収会社の担当者が自宅を訪問してくるのは、非常に大きな精神的プレッシャーがかかります。しかし、これも相手方の常套手段です。冷静に対応しましょう。

自宅のインターホン越しに訪問督促に対応する人物。冷静に、しかし断固とした態度で対応している様子。

【今すぐやるべきこと】

  • 毅然とした態度で対応する:インターホン越しであれば、「お答えすることはありません」「専門家に相談していますので、お帰りください」と伝え、ドアを開ける必要はありません。万が一ドアを開けてしまっても、同様の対応を貫きましょう。
  • 会話を録音する:相手の言動に威圧的なものがあれば、後の証拠となる可能性があります。スマートフォンの録音機能を使うのも一つの手です。

【絶対にやってはいけないこと】

  • 債務を認める発言をする:「少しずつでも払います」「いつ頃なら払えそうです」といった発言は、債務を承認したことになります。たとえ1,000円でも支払ってしまうと、時効の権利を失うことになりかねません。
  • 書類にサインする:「確認のため」などと言われ、何らかの書類への署名や捺印を求められても、絶対に応じてはいけません。「債務承認書」や「和解書」である可能性が高いです。

訪問督促に来るということは、相手も裁判などの法的手続きを取らずに、あなたのうっかりした一言で債務を承認させようとしている可能性が高いのです。これは、裏を返せば時効が成立している可能性が高いサインとも言えます。

時効の援用に関するよくある質問も併せてご覧いただくと、より理解が深まるでしょう。

なぜ専門家への相談が最善の選択なのか

ご自身で対応することも不可能ではありませんが、それには大きなリスクが伴います。相手は債権回収のプロであり、法律の知識を駆使して、あなたから巧みに「債務の承認」を引き出そうとします。不用意な発言によって、時効の主張が難しくなる場合があります。

司法書士にご依頼いただければ、以下のようなメリットがあります。

  1. 督促の窓口を専門家に移せる場合がある:司法書士が受任通知を送付し、貸金業者等に到達すると、正当な理由がない限り、本人への直接の取立てが制限される場合があります。以後の連絡窓口を専門家に移すことで、訪問や電話への対応負担を軽減できる可能性があります。
  2. 時効援用の手続きを適切に進めやすくなる:答弁書の作成や、時効を援用する内容証明郵便の送付など、状況に応じた手続きを検討できます。時効期間の経過や更新事由の有無を確認したうえで、時効援用の効果を主張できる可能性があります。
  3. 万が一の事態にも備えられる:もし調査の結果、時効が成立しないケースであったとしても、そこで終わりではありません。認定司法書士として代理できる範囲内で債権者との分割払いの交渉を検討したり、代理権の範囲を超える場合には必要に応じて弁護士等への相談も含めてご案内したりできます。状況によっては自己破産など、他の債務整理手続きを検討し、今後の対応方法をご提案できます。

専門家へ相談することで、状況に応じた対応方法を確認しやすくなります。

一人で悩まず、まずはご相談ください

当事務所は、お仕事帰りにも立ち寄りやすい名古屋駅から徒歩7分の場所にあり、土日祝や夜間も対応しております。費用面でご不安な方のために、対象となるご相談は無料で承っており、事案に応じて着手金不要や分割払いに対応できる場合があります。

相談したからといって、必ず依頼する必要はありません。まずはあなたの状況を、私、寺山に聞かせていただけませんか。ご相談いただくことで、現在の状況を整理し、今後の対応を検討しやすくなります。

時効援用に関する無料相談

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

08002002111電話番号リンク 問い合わせバナー