■時効援用手続の流れ

 ご相談の多い「消滅時効の援用」手続の流れについてご説明します。

 ①債権者へ受任通知を発送する

 ご相談者のお話しから、おそらく時効で間違いなさそうな場合であっても、相手方の債権者に受任通知を送付し、これまでの取引内容(借り入れと返済の明細)を取り寄せます。長期間返済をしていない場合、記憶が曖昧になってしまうこともありますので、まずは正確な内容を把握するためです。また、この受任通知を発送することで、債権者からご依頼者への請求や督促がストップする効果もあります。

 ②取引履歴の内容を確認する

 原則、5年以上払っていなければ消滅時効が援用できるのですが、支払いをしていなくても相手方と返済の話をしていたりすると、「債務承認」といって借金があることを認めたことになり、時効の援用ができない事もあります。そういった時効の更新事由の有無を調べます。また、この過程で利息制限法による引き直し計算もしますので、過払金が発生している場合は、時効以前に借金が消滅していることになりますので、過払金返還請求手続きへ移行します。

 ③債権者へ消滅時効の援用通知を送付

 消滅時効の援用手続に決まった形はありませんが、後日の紛争を避けるため、司法書士がご依頼者の代理人として債権者へその旨を書面にて通知します。

 ④時効更新事由の確認

 消滅時効の援用通知送付から一定期間経過後、債権者へ消滅時効の更新事由の有無を確認します。返済をしていない期間に裁判を起こされていると、時効が10年に延長されてしまいますが、前記の取引履歴からは裁判を起こされているかどうかが判然としない事もあるからです。

 ⑤消滅時効が援用できた場合

 借金がなくなったわけですので、以後、債権者から請求や督促を受ける心配はなくなります。しかし、「完済」したわけではありませんので、完済証明書等は発行してくれません。ただ、「債務不存在証明書」を出してくれたり、借用書を返還してくれる業者も一部あります。

 ⑥消滅時効ができなかった場合

 裁判を起こされていた等の消滅時効の更新事由がある場合は、法律上の返済義務が残ります。その場合は、任意整理や自己破産、個人再生手続へ移行することもできます。

 すでに時効期間が経過していたとしても、こちらから時効の援用をしない限り、借金は残ったままです。ですから、時効が成立している場合であっても裁判を起こしてくる業者は少なくありません。この場合、すでに時効期間が過ぎているからと放置してしまうと、相手方の言い分がすべて認められてしまうことになりかねません。

 もう何年も返済していない業者がある方、何年ぶりかに債権者から督促状が届いた、又は裁判所から呼出状が届いた等の場合は、早急に司法書士へご相談下さい。

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