「住宅ローンの支払が遅れている」、「すでに督促状が届いている」という相談が増えています。住宅ローンの返済が滞ってしまうと、債権者(銀行や保証会社)が裁判所に「競売」の申立てをすることがあります。
「競売」とは、裁判所が強制的に土地や建物を売却し、その売却代金から債権者が返済を受けるという手続です。自宅が競売で売却されてしまえば、当然ですがそのまま住み続けることはできず、場合によっては強制的に退去を命じられることもあります。また、競売により自宅を手放し、退去したからといって借金がなくなるわけではありません。売却代金で賄えなかった分は、担保のない借金として残るだけであり、以前として支払義務のあることに変わりません。
そんな事態を避けるために、「個人再生」という手続があります。個人再生手続では、住宅ローン以外の借金を原則5分の1(最低100万円)に減らすことができますので、住宅ローン以外の借金さえ何とかなればという方には効果的な方法です。しかし、住宅ローンが減額されることはありませんので、それ以外の借金がそれほど多くない方や、そもそも自宅を手放しても構わない方にはそれほどメリットはありません。
そのような方に対しては、「任意売却」という方法があります。「任意売却」は、一般の市場で通常の売却を行いますので、「競売」のように叩き売られることはありません。よって「競売」よりも高く売れることが多いので、ローンの残高をより減らすことができ、また交渉次第で引越費用等が残せることもあります。「任意売却」のメリットをまとめると、下記のようになります。
1.競売より高く売却できる可能性がある
2.引越日(引渡し日)の相談ができる
3.引越費用が残せる場合がある
3.そのまま住み続けることができる場合がある
「任意売却」には以上のようなメリットがありますが、通常の不動産売買と異なり、銀行や保証会社との折衝もあるため、煩雑で手間もかかり、さらに専門的な知識と経験が必要ですので、売却を依頼する不動産会社をしっかり選ぶ必要があります。あまり慣れてない不動産会社に依頼してしまうと、時間だけかかって売却することができず、結局競売にかけることもありますので注意が必要です。
当事務所では、任意売却を専門に行っている不動産会社と提携しておりますので、このような場合にご紹介することもできます。また、任意売却後に残った借金の整理方法についても、ご相談者の意向をくみ取りつつ、最善の方法を提案することができます。