給料を差押えられたら?司法書士が教える停止と解決法

給料を差押えられたあなたへ。まずは落ち着いてください

「給与差押通知書」が会社に届き、今後の対応に不安を感じている方もいるかもしれません。将来への不安、会社での立場、家族への申し訳なさ…様々な感情が押し寄せ、冷静でいることの方が難しい状況だと思います。

だからこそ、あなたに強くお伝えしたいのです。給料の差押えは、決して人生の終わりではありません。

これは、法的な手続きに則って行われている事務的なプロセスに過ぎず、あなたの人間性や仕事の能力が否定されたわけではないのです。そして何より、この状況を打開し、生活を再建するための状況に応じて検討できる法的手続きがあります。

まずは、この先どうすべきか、正しい知識を得ることから始めましょう。この記事では、給料差押え後に検討できる手続きと注意点を整理します。

参照:司法書士紹介

なぜ給料差押え後は「任意整理」では手遅れなのか

借金問題の解決策として「任意整理」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。裁判所を介さず、債権者と直接交渉して返済の負担を軽くする方法です。しかし、残念ながら給料が差し押さえられた後では、この任意整理で解決することは極めて困難と言わざるを得ません。

なぜなら、債権者はすでに裁判手続きを経て、「債務名義」に基づき、給料から法的に回収できる状態になっているからです。

給料差押え後に任意整理での交渉が困難であることを示す図解。債務者と債権者の間に「交渉の壁」があり、債権者側は裁判で勝訴しているため交渉に応じるメリットがない状況を表している。

債権者の立場からすれば、債権者は、改めて任意の交渉に応じなくても、毎月の給料から回収を受けられる状態です。その安定した回収ルートをわざわざ手放してまで、減額や分割払いの交渉に応じるメリットがありません。これが、給料差押え後に任意整理が機能しにくい、厳しい現実なのです。

給料差押えを止める2つの法的手続き

任意整理が難しい場合でも、検討できる手続きがあります。任意整理が難しい状況でも、裁判所を通じて差押えを停止させ、借金問題を根本から解決するための、より強力な2つの法的手続きが存在します。それが「個人再生」と「自己破産」です。

どちらの手続きがあなたにとって最善かは、収入や財産の状況、借金の総額などによって異なります。重要なのは、どちらの方法も「給料の差押えを止められる」という共通の力を持っている点です。以下で、それぞれの手続きについて見ていきましょう。

個人再生:借金を大幅に減額し、分割で返済する

個人再生は、裁判所の認可を得て、借金の総額を大幅に(例えば5分の1や10分の1などに)圧縮し、その減額された借金を原則3年かけて分割で返済していく手続きです。

最大のポイントは、裁判所に個人再生の申立てを行い、手続きの開始決定が出ると、進行中の給料差押えは中止されるという点です。これにより、差押手続は中止されます。ただし、中止後の給与の取扱いは事案や手続の進行状況によって異なるため、差押相当額を受け取れる時期については専門家に確認する必要があります。そして、再生計画が認められれば、差押えは完全にその効力を失います。

また、住宅ローン返済中の方であれば、「住宅ローン特則」という制度を利用することで、マイホームを手放さずに他の借金だけを整理できる可能性もあります。

参照:民事再生法

自己破産:借金の支払義務を免除してもらう

自己破産は、裁判所から「免責許可決定」を得ることで、税金などの一部の債務を除き、原則として全ての借金の支払義務を免除してもらう手続きです。返済義務の免除を目指す、債務整理の中でも大きな効果を持つ手続きです。

自己破産においても、裁判所から破産手続開始決定が出されると、給料差押えが失効または中止される可能性があります。ただし、実際に満額の給料を受け取れる時期は、同時廃止か管財事件かなど、事件の進み方によって異なります。

もちろん、高価な財産(不動産や車など)を手放さなければならないといったデメリットもあります。しかし、返済の負担が軽減され、生活再建を検討しやすくなる点は大きなメリットです。多くの方にとって、自己破産は決してネガティブなものではなく、前向きな再出発のための制度なのです。

参照:破産法

参照:任意整理後に払えない…4つの対処法と相談先を司法書士が解説

会社に知られた後の心構えとやってはいけないこと

上司に給料差押えの件を正直に話している会社員。誠実な態度で説明し、上司も真剣に耳を傾けている様子。

給料の差押えで最も辛いことの一つが、「会社に知られてしまった」という事実かもしれません。「解雇されるのではないか」「職場での評価に影響するのではないか」と不安を感じる方もいます。

まず、最も重要なことをお伝えします。借金や給料の差押えのみを理由とする解雇は、労働契約法上、無効と判断される可能性があります。ただし、勤務先での対応に不安がある場合は、専門家に相談しながら慎重に対応しましょう。

とはいえ、経理担当者や上司から事情を聞かれる可能性は高いでしょう。その際に、やってはいけないことが2つあります。

  1. 嘘をつくこと:「親の借金の保証人になって…」など、その場しのぎの嘘は信頼をさらに失うだけです。
  2. 無視すること・言い訳に終始すること:誠意のない態度は、社会人としての評価を下げてしまいます。

差押えは会社にとって、給与計算など余計な手間を発生させる事態です。迷惑をかけていることは事実として認め、正直に謝罪した上で、「現在、専門家に相談して解決に向けて動いています」と誠実に対応することが何よりも大切です。正直に話すことで、一時的には気まずい思いをするかもしれませんが、結果として、職場での信頼関係を維持しやすくなる可能性があります。

参照:債務整理で口座凍結はいつ?給料の引き出しや解除方法を解説

一人で悩まず、今すぐご相談ください

給料の差押えを受けた場合、生活への影響が大きいため、早めに対応を検討することが重要です。しかし、ここまで読んでいただいたあなたなら、もうお分かりのはずです。状況に応じた解決方法を検討できる可能性があります。

ご相談いただいたからといって、無理に手続きを勧めることはありません。まずは、あなたの今の状況、不安な気持ち、そしてこれからどうしていきたいか、ありのままをお聞かせください。そこから一緒に、状況に合った解決策を検討していきましょう。

給料の差押えを受けた場合は、早めに状況を確認し、利用できる手続きや今後の対応を検討することが大切です。まずは現在の借入状況や収入、財産の内容を整理し、相談をご検討ください。

無料相談の申込み

参照:お問い合わせ

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

08002002111電話番号リンク 問い合わせバナー