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◇ご相談内容(Yさん夫妻 ともに40代)
3年ほど前から勤務先の経営状況が悪化し、給料を減額されたYさん。生活費不足を補うため、奥さんはパートに出ることにしました。Yさんの給料が手取りで毎月25万円、奥さんのパート収入が毎月7万円、あわせて32万円がYさん一家の収入です。毎月の住宅ローン9万円の支払いが、重くのしかかります。中学生のお子さんが一人いる家庭として生活に余裕はなく、Yさんは消費者金融のキャッシングに頼るようになりました。奥さんもパート収入があるので、クレジットカードを3枚ほど作り、急な出費はカード利用することで補っていました。
そんな中のコロナショックです。幸いにも、Yさんの勤務先はあまり影響を受けませんでしたが、奥さんの職場では、パート社員は全員解雇されることになりました。奥さんは車の運転ができないため、簡単に次の職場は見つかりません。
この時点で、Yさんの借金は消費者金融2社から180万円で毎月4万円の支払い、奥さんはカード会社3社から200万円、毎月の支払いは7万円にもなっていました。これに住宅ローンの支払い9万円が加わり、Yさん夫妻の家計は破綻寸前でした。来年高校受験予定のお子さんを抱え、Yさんは途方にくれました。ご夫婦の両親はともに高齢のため、援助を求めることもできません。Yさんの同級生に借金問題を扱っている弁護士がいるのですが、知り合いだけにこういう問題は相談しにくいものです。
そこでYさんは、奥さんがネットで見つけた借金問題専門の司法書士へ夫婦で相談することにしました。事務所まで電車で30分ほどかかりますが、あまり近所ではない方が何かと安心だと考えたからです。
ご相談者Yさん
というわけですが、何か良い方法はありますか?妻とも相談したのですが、何とか自宅は残したいと考えています |
司法書士
ご自宅はYさん名義ですね。車もYさんの名義ですか? |
ご相談者奥さん
はい。パートに出るようになるまで、わたしはずっと専業主婦でしたので、全部主人の名義になっています |
司法書士
分かりました。あとは消費者金融やカード会社以外で、勤務先や知人の方からの借入等はありますか? |
ご相談者Yさん
いえ、今お話ししたので全部です |
ご相談者奥さん
はい。わたしも他にはありません |
司法書士
それからご自宅と車以外で、何か財産といえるようなものはありますか? |
ご相談者奥さん
まったくありません。毎月の生活で精一杯ですので |
司法書士
分かりました。ではご自宅を残すこと、以外に何かご希望はありますか? |
ご相談者Yさん
ありません。自宅さえ残せれば… |
ご相談者奥さん
虫のいい話ですが、何とか楽になれば…と |
司法書士
最終的には各業者へ調査をしてからになりますが、ご自宅を残すということで、ご主人は借金を減額できる個人再生手続、何も財産をお持ちでない奥さんは借金が帳消しになる自己破産手続がベストではないかと思います |
ご相談者Yさん
詳しくお話していただけますか? |
〇司法書士からのアドバイス
ご家族に内緒で進めるより、お互いに借金を打ち明けられた方が、どんな債務整理手続でもやり易いのは間違いありません。また、ご夫婦揃っての債務整理の場合、それぞれの財産状況や収入状況によって、違う手続で進めた方が良い場合もあります。詳しくは一度ご相談下さい。