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◇ご相談内容(S恵さん 30代既婚女性)
独身時代に少しだけ贅沢をしてしまったS恵さん。そのときに作った消費者金融への借金が、3社で約150万円。2年前に結婚したご主人は、この借金のことを知りません。何度も話そうと思いましたが、なかなか踏ん切りがつかずに今に至っています。
ご主人の希望で、結婚と同時に仕事辞めて専業主婦となったS恵さん。返済のために仕事を続けたい思いより、専業主婦への憧れが上回りました。幸いにも、ご主人は給料のすべてをS恵さんに渡し、その管理を任せてくれています。そこから生活費をやり繰りし、毎月3万円の返済を捻出していましたが、ご主人に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
しかも、毎月3万円の返済では大半が利息に充てられ、元金はほとんど減りません。いったいいつまで払えばいいのか見当もつかず、ため息の数も増えていきます。当然ながら毎月3万円の支出は大きく、なかなか貯金もできない状態が続いています。今のところご主人はお金のことについては何も言いませんが、いつ「貯金いくらたまった?」とか、「家計簿を見せて」と言われるか心配でなりません。何よりも自分を信用して家計を任せてくれているご主人に対し、罪悪感だけが日々募っていきます。結婚時にご主人の希望に沿って仕事を辞めただけあり、今さら「パートに出たい」と言い出すこともできません。
「何とかしないと…」そう思ったS恵さんは、ネットでいろいろ調べ、借金がなくなる自己破産に興味を覚えました。そして、同じくネットで調べた借金問題を専門に扱っている司法書士に相談してみることにしました。秘密厳守で相談料も不要というところも安心でした。
ご相談者
というわけで、自己破産についてお聞きしたいのですが? |
司法書士
(自己破産の注意点、流れを詳細に説明) |
ご相談者
…特に財産もない、わたしに最適の方法のみたいですね |
司法書士
財産がなければ取られるものもありませんし、S恵さんの借入原因では免責不許可事由といえるものもなさそうですので、破産手続で最も簡易な同時廃止で済むと思いますよ |
ご相談者
分かりました。あと心配なのは、主人に知られないか?ということですが…。どうしてもそれだけは避けたいんです |
司法書士
それはそうですよね。まず、裁判所への提出物には、家計の収支表や、ご家族の収入等を証明する書類が必要になりますが、家計の管理はS恵さんがされているのですね? |
ご相談者
はい。主人の給与明細や源泉徴収票はわたしが保管していますし、通帳もわたしが管理しています。だから、主人に内緒で持ってくることができます |
司法書士
郵便物なんかはどうです?ご主人がポストを見られることはありますか? |
ご相談者
まずありません。わたしがずっと家にいますので |
司法書士
それならまず大丈夫だと思いますが、絶対という保証はできません。破産すると、官報という国が出している新聞のようなものに、住所と氏名が掲載されます |
ご相談者
それは誰でも見れるのですか? |
司法書士
購入すれば見ることはできますが、一般の人はほとんど見ないと思いますよ |
ご相談者
確かに…。わたしも今初めて聞きましたので… |
司法書士
ご主人に内緒でやれるように、わたしも最大限配慮していきますので、ご安心下さい |
ご相談者
わかりました。よろしくお願いします |
〇司法書士からのアドバイス
自己破産手続を選択する場合は、可能な限りご家族に打ち明けておくべきです。なぜなら、破産手続は裁判所で行われる手続であり、必要書類として、配偶者の給与明細や源泉徴収票、通帳や車検証等の提出を求められたりするからです。これらの書類を準備する際に、ご家族に知られたりすることもあるかもしれません。
以上から、家族に内緒で破産手続はできるとは断言できませんが、ご依頼者の状況によって内緒のままできるケースもありますし、ご要望に沿えるよう最大限の配慮は致しますので、お悩みの方は一度ご相談下さい。